いじめの情報
同級生による入部の妨害と嫌がらせ
華子さんがソフトテニス部に入部を決める前、すでに部活に所属していたメンバーの一部から、入部しないように部活の厳しさへの指摘があった。
これについては、関わっていたメンバーからの証言からも明らかなのだが、その理由として、「ソフトテニス部はいわゆるブラック部活で、部活の指導のみならず生活態度や拘束される時間にも厳しさがあり、勉強と両立させるのが大変だから、本当に大丈夫なのか?未経験者だと特にきついよ」と良かれと思ってのアドバイスであったとされている。
しかし、私がより内部の人物から聞いた情報によれば、それは建前的な問題後の後付けの言い訳に過ぎず、入部妨害を特にした生徒らは、「現行のメンバーで活動したいと考えており、他所から来た他人、しかも未経験者に入ってきてもらいたくなかった」という話を聞いている。
さらに、入部の申し込みがわかったところで、「何でウチらの話を聞かないのよ」ということになり、経験者が未経験者を教えるという伝統であったそうだが、教える事を拒否する経験者もいたということであった。
つまり、はじめから異質の者としての扱いがあり、一部の生徒からターゲットにされていたことが伺えるのである。
部員によるいじめ
ある部員は私にもアンケートにも、華子さん本人がソフトテニス未経験者にも関わらず、メキメキと実力をつけていく姿に焦ったと言っていた。流石に試合となれば、経験者には及ばないが、試合に出してもよいと言われるまでが異常なスピードであった。
このままでは抜かれる、そうした焦燥感が嫌がらせとなり、いじめへとつながったのであろう。
華子さんが転落死したということがわかった段階で、校内の多くの生徒が、ソフトテニス部内でいじめが起きたのだと感じたという証言もある。「あの部活は毎年しごきを超えたいじめで部員が辞めるんですよ」。これは他の部活に所属している生徒が私に話した内容だ。
そして、1月5日当日、生徒らによれば、華子さんは合宿の待ち合わせ場所に来たそうである。それを、部活の一部のメンバーが「帰れ、帰れ!」「お前に居場所なんかないよ」とやって無理やり帰らせたという情報を得た。
付属機関の調査では、口裏を合わせて、「来なかった」「引っ越してきたばかりで場所がわからないかもしれない」と言ったが、口裏を合わせられない子や不安定な子は聞き取りを拒否させたという情報も得ている。
つまりは、華子さんは部活の合宿に参加するため、バスが来るという待ち合わせ場所へ早起きをして向かった。ところが、強制的かつ高圧的に参加を拒絶され、家の近くまで帰られせられたのである。
だから、華子さんの靴は汚れていたのだ。
そして、自死が分かった時、それに関与した一人の女性生徒の母親は娘からその話を聞き、異様に動揺をしたまま、遺族の元へ向かい、あまりの動揺ぶりを記憶されたのである。
一部の関係者は、華子さんの死があまりに隠されることがストレスになり、毎晩夢に見るようになったことから、月命日には現場に献花をするようになった。