女子中学生の飛び降り自殺をいじめと認めぬ、名古屋市の深い闇

 

大阪時代

付属機関は、報道によれば、「過度な練習で心身の不調さをきたした可能性が高い」として、華子さん本人の真面目な性格から「休みたいと言えなかったことが自死の原因だとしているが、彼らはわずか4ヶ月しか彼女のことを知らない人らから話を聞いて、よくそこまで言えたものだと首をかしげざるを得ない。

確かにソフトテニス部は校内では有名なブラック部活であり、上下関係が過度に厳しいことからいじめが多発していたという証言はいくつもあるが、学校にいたのはわずか4ヶ月なのだ。この短期間で人を語れば、遺族から想像に基づく作文に過ぎないと酷評されても仕方ないだろう。

私は華子さんが名古屋に来るまで過ごしていた大阪で彼女のことをよく知る人物らから話を聞いている。そして、心理テストを行い簡易ながらも分析をした。

確かに彼女は、真面目で物事に真摯に取り組む様子がよく聞くことが出来た。その一方で、ユーモアがあり、性格は明るくサバサバしているというエピソードも多かった。つまり、ストレスをあまり溜め込む傾向ではなく転化して発散する実績があったのだ。

他の側面としては、慎重さがあり、頑固とも言えるほど自らの考えを貫こうとする傾向がある。知能レベルは高く、予測をして回避をする能力もあるが、他人との軋れきに動じないという傾向もある。簡単に言えば、間違っているということがあれば、相手が誰であれ間違っていると思うと言える子であった。

また、一方で家庭でのコニュニケーションも濃厚であることから、自死という結果には疑問が生じてくる

学校の対応

前述の4月14日の報道の後、保護者会がはじめて行われたというニュースも流れた。

つまり、学校はアンケート調査などを行いながらも、自死という最も重い事態と言える状況の中で、およそ2年間説明すらしていなかったのだ。

その姿勢は全てにおいて共通していると言えるだろう。

例えば当時の校長は、部活の合宿については非公式の活動であり、学校の公式の活動としては認められないとしている。しかし、中学校の部活が顧問(教員)引率で活動をすれば、それは、学校としてあずかり知らぬとは言えないのは当然なのだ。

また、付属機関の調査によれば、学校は再発防止として独自の取り組みをしている言うが、その内容の全てが、遺族による提案をそのまま採用したものであるのだ。自ら考える力がない学校に、積極的にいじめを予防する力はない。

この学校の保護者らに1つ言える事は、明日は我が身という事だ。

付属機関の調査不足はなぜ起きたのか?

遺族によれば、付属機関の委員らは一部の生徒らからしか聞き取りができていないというかのだ。

その姿勢について、重要な情報を持つ子、アンケートで名指しされていた生徒やその関係生徒に重きをおいて調査すべきだいう遺族の指摘に、付属機関の委員らは、答えると言っている子にだけ真摯に調査をすれば間違いはないと答えたという。

付属機関は確かに社会的なステイタスもある権威ある専門家であるが、それはその世界での話である。調査の専門家として指摘するとすれば、何も知らない、情報を持っていない者からいくら話を聞いても、それはただの時間と費用労力の無駄なのだ。

ディオ風に言えば、「無駄無駄無駄無駄無駄!」なのである。

情報を持っているが、起きた事件自体が過重なストレスで調査を拒んでいる相手や保護者をいかに説得するかが重要であり、どこまで情報を聞き出せるかが調査の醍醐味と言える。

例えば、アンケートで名指しされた生徒は調査拒絶をしている。これは法体系の中でできる事であり、拒絶されてしまえば調査はできないことになる。いじめ防止対策推進法を改正するとして超党派の議員らの議題の中でも、調査の拒絶権を簡単に行使できる事を問題視しているが、それならそれで、探偵であれば探り方というのはあるものだ。お上品なお仕事をなさっている先生方にはできないことかもしれないが。

例えば、飛び込み営業をする営業マンは、断られるだけではなく塩をまかれる事をわかった上で、飛び込み営業でも実績を上げていく。電話での営業をするアポイント電話の人らでも、「いらない」と言われながらも、あちこちに電話をかける。

調査や捜査においても、根気強く地廻りをして、足で情報を稼いでいくものだ。断られても拒絶されても、本部にクレームが入っても、情報を得るためであれば、粘り強く説得するのは調査をする者としては当然の姿勢なのだ。

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