トランプ疲れで、メルケルは離反
欧州でもっともパワーのあるリーダーといえば、ドイツのメルケルさんです。なんといっても、「EUはドイツ帝国だ!」(エマニュエル・ドット)といわれる。
トランプさんとメルケルさんの仲は、最初から険悪でした。トランプさんは、はじめての会談で、メルケルさんと握手することも拒否したのです。そして、トランプさんが、「NATO加盟国は軍事費を増やせ!」という時、主にドイツをターゲットにしている。そして、「ドイツとロシアを結ぶ海底ガスパイプラインを作るな!」と脅迫している。このプロジェクトに関わる企業に制裁も科しています。一方で、「アメリカからシェールガスを買え!」と要求する。その結果、メルケルさんとドイツは、アメリカから離反しつつあります。
メルケル独首相、アメリカはもう同盟国ではない?
Newsweek 5/16(木)16:36配信
<アメリカをロシア、中国と同列に並べて、その挑戦を受けて立つ、と発言。トランプの所業を思えば無理もない>
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は5月9日、独メディアの取材に対し、欧州各国は団結してロシア、中国、アメリカからの挑戦を受けて立たねばならないと言った。アメリカを、ロシア、中国と同列に並べたのだ。
「同じ欧州の国といっても各国の利害はしばしば異なるのだから、団結するのは容易なことではない。それでもそうするしかない」
メルケルのこのコメントは、少なくとも欧州の一部の指導者は、もはやアメリカを欧州の主要な同盟国とはみなしていないことを示唆している。
「欧州の一部の指導者は、もはやアメリカを欧州の主要な同盟国とはみなしていない」そうです。
EUにもNATOにも批判的なドナルド・トランプがアメリカの大統領になってから、米欧関係は日増しに不安定になってきている。自動車部品に関する通商交渉でも、追加関税を切り札に対立が続いている。
5月15日の米報道によると、トランプは中国と貿易戦争を戦う間、欧州や日本への追加関税の発動を延期し、代わりに自動車の対米輸出制限を要求する意向だという。だがトランプは、追加関税を発動するか否かを5月18日までに決めなければならない。
欧州当局は、万一トランプが追加関税を発動したときのため、報復関税のリストを準備している。
(同上)>
トランプさんは、対中戦争で味方につけるべき欧州に対し、敵である中国と同じような扱いをしている。それでドイツは、アメリカと戦わざるを得ないことになっている。
アメリカの多くの専門家はもちろん、同盟相手のEUとの関係を貿易で損なうことに反対しているのだが。
(同上)
当たり前ですね。トランプさんが、対欧州で「追加関税」も「自動車輸入制限」もおこなわないことを、心から願います。