NYで「実店舗」復活ムードを牽引する「ブルティン」成功の秘密

shutterstock_203523022
 

Eコマースの普及により苦戦を強いられていた「実店舗」での小売の世界に新たな光が差し始めているようです。ニューヨーク在住のりばてぃさんが、流行の最先端で光を放つ新店舗について自身の『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』で、紹介してくれます。今回は、女性の味方として支持を集める「ブルティン」が、マンハッタンに出店したさながら「女性の自立博物館」のような旗艦店から学べる点を伝えます。

ニューヨーク生まれの女性の味方、ブルティン

(1)小売業界で起こっている変化

常に新しいものが生まれるニューヨーク。先日も、再開発エリアのハドソン・ヤードにオープンしたショップや、ニューヨーク初となるAmazon Goがオープンしたことなどお伝えしたが、他にもいろいろ新たな店舗がマンハッタンだけでもいくつもオープンしている。

しかも、単に、新しいお店がオープンしたというだけではない。Eコマースの普及から一時は「実店舗」はもう終わりだ、アマゾン・エフェクトのせいで大量閉店だ、となった小売店が新たな形で生まれ変わり、今後も増加傾向にあるとみられているトレンドの一端でもある。

せっかくなので、今注目と思われる新たな店舗を数回にわけてご紹介しつつ、小売業界で起こっている変化について考えていきたいと思う。

(2)なぜ女性の味方なのか?

まずは、2018年8月にユニオン・スクエアに旗艦店をオープンし話題のブルティン(Bulletin)から。

ご参考:ブルティン公式

おそらく、今、アメリカで支持され愛されるモノやコトについて調べている人は必見のお店の1つ。興味深い点は多々あるが、まず、ブルティンは、店内スペースを中小ビジネス・オーナーに貸し出す形式の小売店で、小売店バージョンのウィーワーク(WeWork)とも評されている注目の小売店だ。

その証拠に、2015年の創業当時は給料も出せないほど資金繰りに苦労していたが、紆余曲折を経て、2017年春には、将来有望なスタートアップ企業に投資することで知られているYコンビネーター(Y Combinator LLC)から220万ドル(1ドル=110円換算で約2億2千万円)の出資を受け、注目の小売業者となった。

何が、そんなに注目なのか?それは、ブルティンの企業理念にある。ブルティンは、女性による女性のための小売店として、創業時から数多くの女性によるブランドを支援してきたのである。

print
いま読まれてます

  • NYで「実店舗」復活ムードを牽引する「ブルティン」成功の秘密
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け