しかも、ニューヨークの類似のフリーマーケットの多くが出店時に支払う金額が高く、また数ヶ月にわたって毎週末出店する契約が一般的だったところを、少額でも出店でき、さらに各出店者側の店員が会場にいなくても代わりに販売するサービスを提供したのである。
少額かつ定額のサービス料金や商品を提供するだけの仕組み、売上の取り分設定などがスモール・ビジネスのオーナーたちにウケ、急成長。天候に左右されるフリーマーケットでは限界があると感じ、2016年11月にウィリアムズバーグにブルティン初となる小売店を出店したのである。
そして、これがまた多くのスモール・ビジネスのオーナー達やお客に支持され、ファンが拡大。創業から5年も経たないうちにマンハッタン内のノリータとユニオン・スクエアへの出店が実現したのだった。
以下の経済誌Incの記事には、ユニオン・スクエア店オープン時の様子が映っている。ファンのお客が別のブルティンのお店で購入したTシャツを着ているとおり、どれだけブルティンの商品に誇りを感じ、支持しているのかが伝わってくる。
ご参考: ● Bulletin Blows Out Their NYC Grand Opening
ブルティンは商品を卸すスモール・ビジネスのオーナー達のニーズを探った過程で、今、まさにアメリカの小売業界で注目のビジネス・モデルに行き着いている。それは、『サービス・プラットフォームとしての小売店舗』(a retail-as-a-service platform)である。
近年、Eコマースからはじまったブランドが増えているが、それらのデジタル・ブランドが小売店で商品を販売する事例は増加。直営店ではなく、デパートやショッピング・モールに出店する事例も数多い。
そこで、各デジタル・ブランドに合わせて店舗デザインやディスプレイ、店員スタッフの手配、集客力調査、売上分析なども含めて包括的にサポートする小売店が近年、米国で増えており注目されているのである。
次回は、老舗デパートが手がける、『サービス・プラットフォームとしての小売店舗』(a retail-as-a-service platform)についてみていこう。
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