武田教授が暴露。「環境問題」は欧米社会が優位性を保つための策謀

 

なぜ日本人は「今の暮らしが長く続かない」という脅しを信じるのか

その中でも「温暖化持続性」の二つはかなり大規模で、論理やデータで多くの策略が見られます。まず、「持続性」ですが、石油が枯渇する、気温が上がるということをテコに私たちの文明社会は持続性を持たないという論理ですが、これには2つの間違いがあります。

1.石油や鉄鉱石などの主要資源はまだまだ膨大で枯渇の心配はありません。石油4,000年、鉄鉱石7,000年ぐらいの推定がおそらくは正しいと思います。

2.人類は野生動物の狩猟、田畑の農耕などと進歩し、さらに工業化とともに生産量を飛躍的に拡大してきました。歴史の転換点では「もうすぐ世界は終わりが来る」と言われることが多く、そのたびに、単なる脅しか困難を克服する技術や社会制度が誕生して社会は持続性を持って続いてきました。むしろ、「今と同じ生活が続くということの方が人類は体験していないのです。

日本人は慎重な性質で脅しに弱く、かつ白人崇拝なので、持続性などのように「ヨーロッパ発の暗い話には無条件で乗る傾向があります。でも、それは情けない話で欧米とは違う感性をもつアジアの国として、自分たちで考えた思想で行きたいものです。

日本は温帯の島国ですから、気温は周囲の海水温度に左右されやすく、しかも「水」というのは「空気」の3,000倍ほどの熱を持つ力があるので、気温が変わっても容易には海水温は変わりません。中学校で「大陸性気候、海洋性気候」などを習いますが、大陸がマイナス30℃になっても日本は零下にもならないのが普通で、気温の変化は極めて小さいのです。

地球は今、氷河時代ですから極端に暑くなることはありませんが、もし温暖化しても最初に被害が出るのはアメリカとか中国のような大陸国です。それなのに、アメリカや中国は温暖化対策をせず、日本人がやっているという奇妙な状態です。

さらに「持続性」という点では、温帯の島国ですからいかようにも生きていくことができるのが日本の特徴です。特に、日本は水や塩という生存に必要な資源を豊富に持っていますから、何の心配もありません。何も考えずに「持続性」だけを言うのではなく、具体的に何が不足したり、破壊されたりするのか、それは日本に及ぶのかぐらいは考えてほしいものです。

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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

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