団塊世代の犠牲になった若者たち。非正規雇用が増えた本当の理由

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「高齢ひきこもり者」の増加が問題視されていますが、データを読み込むことで意外な真実が見えてきます。マンション管理士で社会問題にも詳しい廣田信子さんは、自身の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』で、既存正社員の椅子を守るために犠牲になった若者たちが非正規社員として扱われたという「データ」を紹介。さらにその事実が、「ひきこもりの高齢化問題」と密接な関係にあることを解き明かしています。

非正規雇用が増えた本当の理由は…

こんにちは!廣田信子です。

うまく社会に順応できすに、「ひきこもり」になってしまっている人、「非正規から抜け出せずに将来に希望を持てないまま中年になった人、その人たちをどう支えるかが、社会の大きな課題とようやく認識されるようになってきました。

その背景には、企業が、利益優先のあまり、「正社員非正規に置き換えていったことがある…と思われていますが…、1982年~2007年の25年間で、18~54歳の男女の「正社員」「非正規」「自営業」「パート・アルバイト」「無職者」の割合を見ると、ちょっと意外なことが分かります。

この間、「正社員の割合はほぼ変わっていないのです(46%→46%)。

この25年の間に、少子化で労働人口が減少しているにも関わらず就労者は10%も増えています(3,206万人→3,535万人)。労働市場全体のパイが増えたので、正社員を非正規に置き換える必要はなく増加分が非正規で埋められていったことが分かります。

バブル崩壊で、大企業が破綻し、「リストラ」が話題になった時代でも、日本全体としては、日本企業内で、すでに正社員だった人たちの長期雇用慣行は温存されていたのです。

では、正社員比率が変わらない中で、大きく変わったのは何か…というと、大きく減ったのが、「無職者」(26%→23%)と「自営業者」(14%→7%)。大きく増えたのは、「非正規」(4%→12%)です。

まず、「無職者」が減ったのは、「専業主婦の減少です。バブル崩壊による家計のひっ迫や価値観の変化で「専業主婦」が本格的に働きに出るようになったのです。その当時、女性の中途採用の「正社員」のハードルは高く、「非正規採用が大多数だったことが、「非正規」の割合を押し上げる要因のひとつになったのです。

そして、農業、飲食業、町工場、町の商店等の自営の仕事が次々に廃業し、自営業者だった人たちが「会社員」となっていきます。中途入社なので、やはり「正社員」のハードルを越えられずに、「非正規」となる割合が増えます。

そして、昔なら、家業を継げばいいということで、就労のための勉学を必要としなかった自営業の子供たちも継ぐべき家業がなくなり、急に、「会社員」になる必要が生じます。就職氷河期に準備不足だと、やはり、「非正規」となる割合が増えます。

こういった状況で、大きく変わったのが22~29歳男性の就業状況です。1982年、正社員比率は75%でしたが、これが、バブルの頂点(1992年)で77%まで上がったのに、2007年には62%まで落ち込んでいます。10%以上減っているのです。

この間、それに反比例するかの如く、「非正規」の割合は、4%から15%に増えています。20代の男性の正社員雇用が破壊され非正規に置き換えられていったことは明らかです。そして、その状況から抜け出せずに、40代50代になっている人たちがたくさんいるのです。

そして、その苦難から自分自身に価値を見出せずに、ひきこもりになる人も少なくありません。そして、その親に当たる団塊の世代は、その子たちを自宅に抱え込んで生活の面倒を。余裕があった人たちが多いので、この問題は、見えにくかったのです。それが、その親の高齢化でピンチになっているのです。

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