ペン習字の練習ではよく「なぞり書き」をします。薄く印字されたお手本をなぞりながら、文字の美しいバランスを目と手で習得するのですが、実はこのなぞり書き、勉強の苦手な子どもに対しても有効なのだそうです。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では、著者で漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さんが、「なぞり書き勉強」の実践法とその効用を詳しく解説しています。
「教科書をコピーしてなぞり書き」が最強のテスト勉強
勉強が苦手。どうやって勉強すればいいかわからない。こういう子はけっこうたくさんいます。こういう子にお薦めしたいのが「なぞり書き」勉強法です。
やり方は、教科書・参考書の大切なところや問題集の解説などをコピーして、それを鉛筆でなぞらせるだけです。必要に応じてグラフや表などもなぞります。
文字が小さいとなぞりにくいので拡大コピーします。教科書などの判型にもよりますが、A3の紙にコピーする場合、175パーセントくらいに拡大することができます。
また、コピーした文字が濃いとなぞった感じが出ないので、できるだけ薄くなるようにコピーします。そのためには、コピー機を文字モードでなく写真モードにして、さらに一番薄くなるように設定します。なぞるときの鉛筆の濃さも大事で、薄い鉛筆だとなぞった感じが出ません。2Bくらいの濃さは必要です。
拡大コピーした紙に直接書くのではなく、トレーシングペーパーをかぶせて書く方法もあります。その場合、ずれないように数カ所をダブルクリップで止めます。なぞり書きしたときの仕上がりがきれいになるので、こちらの方を好む子もいます。
なぞり書きの効果はたくさんあります。
- やることが明確で取りかかりのハードルが低い
- 書いたものがたまるので、「勉強した」という達成感がある
- 勉強の一つの型を覚えるので勉強の習慣化につながる
- 書いている間に今まで気づかなかったことに気づく
- 書くことで記憶に残り勉強内容が定着する
- 促音や拗音の書き方、句読点や括弧の使い方、改行の仕方など、表記能力が上がる
- 指の筋肉が鍛えられて書字能力が上がる
ただし、「とにかく書くことが苦手」という子には向きませんので、ご注意ください。
小・中学校でおこなうテストは、すべて教科書をもとに作られています。つまり、教科書はあらかじめテストの答が書いてある虎の巻なのです。ですから、教科書を徹底的にマスターすれば、学校のテストでよい点数を取ることができます。
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