客の「体験したい」欲をくすぐるのは、いつだって自由な発想だ

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多くのお店が「おもてなし」の気持ちを表す演出に趣向を凝らしている昨今ですが、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが衝撃を受けたというのが、とある居酒屋さんの試み。一体どのようなものだったのでしょうか。坂本さんが自身の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で紹介しています。

店中がキャンバス

少し前に、ある居酒屋に行ったら、こんなことがありました。取引先の方が予約してくれていたお店で、店に着くと、テーブルに小さなイーゼルがあり、そこに、「〇〇様今日は楽しんで行ってください!」みたいな言葉が書かれていたのです。

居酒屋なんかだとよく見る演出ですが、「お客様を楽しませようとしているんだな」程度に見ていました。とはいえ、こういう演出をしているお店は決して少なくはありません。

しばらく、美味しい食事と飲み物をいただいて、帰ろうとしていたら、スタッフの方が、同じような言葉を書いているところに遭遇しました。しかし、その書いているものは、私たちと同じような紙ではなく、テーブルの横にある窓ガラスだったのです。あとで拭き取れるペンを使って、窓ガラスいっぱいに、「〇〇様、本日は…」みたいな言葉を書いていたのですね。

たったそれだけのことなのですが、個人的にはちょっとした衝撃を受けました。というのも、恥ずかしながら、店全体をキャンバスにするという自由な発想が、私にはできなかったからです。

最近は、お店でしか得られない体験をしてもらうためにと、いろんな演出をしているお店が増えています。店の中に坂道を作ったという自転車屋などは、一時期話題になったりもしました。画家を呼んで個展を開き、商品とリンクさせて、楽しんでもらおうという店もあります。そういった特殊なイベントや演出だけでなく、ちょっとしたPOPを改良して、楽しませようとするお店もあります。

どれもこれも、実際に行ってみたい、体験して見たいと思わせてくれるようなものばかりなのですが、そこには、普段の感覚とは違う発想が必要です。

冒頭の「〇〇様」と書かれた紙1つ取っても、ありきたりな紙に書いてあるだけの店もあれば、店をキャンバスに見立てて、窓ガラスに書くということもできます。それも、発想の1つですし、ひと味違った演出になってきます。

「店は汚してはいけない」「これだけしか使ってはいけない」という制約はあるかもしれません。でももしかすると、その制約は勝手な思い込みで制約になっているだけで、本当はそういった制約を外せば、できることは一気に増えるかもしれません。これからの店づくりには、そういう考えができる発想が必要なのだと思います。

窓ガラスに書くなんていうのも、他でもやっていることではありますが、そこに至る発想ができるかどうか。そんな観点で店をもう一度見直して見ると、できることの幅が広がるかもしれません。

今日の質問です。

  • 今、店でやっている演出にはどんなものがありますか?
  • その演出の制約を外すとしたら、どんな楽しい演出ができそうですか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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