中国の思う壺。尖閣への中国公船侵入を伝えぬ日本マスコミの愚

 

収束の見えない香港での大規模デモ、アメリカによる台湾への戦闘機売却など、周辺環境が喧しさを増す中国。もちろん手をこまねいているわけなどなく、さまざまな「工作」を仕掛けているようです。台湾出身の評論家・黄文雄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、そうした中国の数々の工作活動を明らかにするとともに、日本も習近平政権の情報操作に本気で対処すべきと警鐘を鳴らしています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2019年8月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【中国】弾圧と情報工作の手口が世界から暴露され始めた中国

中国、台湾への個人旅行を禁止 台湾は反発

中国文化観光省は、本土の47都市の住民に対し8月1日から台湾への個人旅行を認めないと表明しました。この措置の背後には、2020年の台湾総統選があると報道されています。蔡英文政権へのダメージを狙ったものだというのです。

しかし、報道にもあるように、台湾側はこの措置を至って冷静に受け止めています。台湾側がどうして冷静でいられるのか、以下報道を一部引用します。

16年に中国大陸からの客足が遠のいた際、台湾の観光産業は大きなダメージを受けた。台湾では中国大陸からの観光客を「陸客」と呼ぶが、「陸客専門」をうたうホテルやレストランの中には倒産したところもあった。当時の反省を踏まえ、台湾では韓国や東南アジアからの旅行客を中心にビジネスを展開する動きが加速した。

 

台湾の当局も、中国大陸に依存しない経済成長を目指すスローガン「新南向政策」を掲げ、こうした動きを後押ししている。対象となる東南アジア、南アジア、ニュージーランド、オーストラリアの計18カ国に対し、観光分野のプロモーションを強化。現在、東南アジア諸国から台湾を訪れる旅行客に対してビザ申請手続きを簡素化したり、免除したりする動きを加速させている。

 

大陸からの旅行客の落ち込みを東南アジアで補う構図は、訪台旅行者数の推移からも見て取れる。16年に1,000万人を突破して以降、その勢いは衰えず、17年1,072万人、18年は1,106万人と大陸からの旅行者数の減少にもかかわらず、全体の訪台旅行者は増えている。

大陸客の個人旅行禁止から2週間強、それでもあわてぬ台湾

中国のやり方に精通している台湾にとっては、観光業の政治利用もお見通しというわけです。それにしても、総統選挙まであと半年あまりとなった今、中国の蔡英文いじめはだんだんとあからさまになってきましたね。

今、中国は米中関係、香港問題など様々な問題を抱えています。竜巻や地震など国内の自然災害も絶え間なく各地で起こっています。そんな問題山積の状態で、個々の問題への対応がおざなりになっているのではないかと思えるほどお粗末なやり方です。

ロイターの報道によれば、香港のデモに対しても、フェイスブックとツイッターの両社が中国政府による情報操作を発表、これを批判し、該当するアカウントを削除したとのことです。以下報道を一部引用します。

中国が香港デモ巡り情報操作か、ツイッターとFBが批判

ツイッターは936件のアカウントを停止したと発表。情報操作は中国からのもので、国家に支援された協調的なものだったとの見方を示した。これらは最も活発に利用されるアカウントの一部に過ぎないとして、約20万アカウントのネットワークを活発化する前に積極的に停止したとも説明した。

 

ツイッターが示した投稿には、立法会(議会)庁舎に突入したデモ隊の写真とともに「立法会を破壊した者は気が狂っているのか、悪人から便益を受けているのか。完全に暴力的な行動で、香港に急進的な人間は要らない。出て行け」と書かれていた。

 

ツイッターから情報を受け、フェイスブックもアカウントやページなどを削除したと発表。内部調査で中国政府との関係がある個人へのリンクが検出されたことを明らかにした。

 

フェイスブックが示した投稿では、デモ参加者らを「香港のゴキブリ」と呼び、「顔を出すことを拒んだ」と主張した。

これも中国政府お得意の情報操作です。

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