普段あまり気に留めていない手の動きですが、実は期せずして人間の心理を表してしまうことが多いのだそうです。接客の際に販売員の「不安や自信のなさ」がお客様に伝わるようでは、売れるものも売れなくなってしまいますよね。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では、著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、そんな状況に陥らないために気にかけるべきことを記しています。
心理は手に出るから
人の心理というのは、手に出やすいと聞きます。まぁ手だけではなくて、視線とか、顔とか、足の動きとか、いろんな部分に出るのですが、やはり手は特に目立つような気がしています。というのは、販売員が考えていることがまさに手に取るように見えるからです。
例えば、接客を受けていて、クロージングに入っているんだろうなと感じることがあります。自信のある販売員は、特に手が妙な動きをすることもなく、落ち着いたまま接客が続いていきます。だから、言葉だけでなく、所作にも説得力があり、「この人が言うことなら信用できるな」と購入を決断することがあります。
一方で、自信がないであろう販売員は、どうしてもすぐにわかってしまいます。そこで気になるのが手なんです。クロージング中に、商品をやたらと触っていたり、手がやたらと動いていたりして、落ち着きがないのですね(「手まぜ」と呼んでいたのですが、調べたら九州の方言でした)。
つい先日もある雑貨店で接客を受けていると、私が悩んでいる最中に、販売員の方の手がやたらと動いていましたが、少し深い話をすると、案の定言葉が止まってしまって、聞きたいことが聞けなくなってしまったということがありました。
嬉しいことや楽しいことといったポジティブな部分も、反対に、不安や心配といったネガティブな部分も、人は知らず知らずのうちに身体に出してしまいます。これは、どんな人でも同じことですが、個人的には、意識できるようになれば、コントロールできるものでもあると思っています。不安な時に、手を動かしてしまうのならば、「手を動かさない」と意識をしておくだけでも、余計な動きを減らすことはできるからです。
だからこそ、今の自分の接客を見ておくというのはすごく大事なことです。手を動かしているかどうかなんて、自分自身で気づくのは非常に難しい話。だったら、誰かにお願いして、練習で動画を撮るとか、写真に収めてもらうとかして、確認する必要があります。「接客を見て、動いているようなら教えてください」とお願いしても良いでしょう。
確認をして、余計な動きはなくす。手の動きにも注意を払ってみてください。
今日の質問です。
- あなたは、どんな心理状態の時に、どんな手の動きをしていると思いますか?
- その動きを確認するための方法を考えて実行してみましょう
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