このように、産業構造戦略が描けない中で、現在あるものを守っていくのが精一杯で、そこに辛うじて観光産業という低付加価値の産業を乗せて、なんとか食いつないで行こうというのが現在の日本経済なのであれば、それは悲観論になるのも仕方がありません。
例えばですが、現在の「貧しさ」の原因として、派遣労働を解禁したからダメだとか、初任給据え置きがダメだという議論がありますが、それも結果であって原因ではありません。
日本経済が稼げていない、成長しない、そして未来の成長が描けないという中で、各企業が「今いるホワイトカラーの人件費」を捻出することで精一杯、そんな経営をしてきた中で、現在の「将来不安」があるのです。
その根幹にメスを入れるという意味では、全く新しい政策パッケージのようなものが必要なのかもしれません。
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