恩着せがましい「軽減税率」を「天下の大悪法」と断言できる理由

 

それでも消費者の立場として支払う新消費税についてはテレビなどでそれなりに特集されているからまだいい。問題は小売業者の方である。中でも特に商店街にあるような小さな店の経営者にとっては致命的なものとなりかねない。

新しいレジやキャッシュレス決済に対応するための設備投資も相当応えるだろうが、何と言ってもこれまでにはなかった手間がかかるというところが大問題なのである。例えば、老夫婦二人でギリギリの損益で経営しているような小さな店で言うと、新しいレジの使い方、キャッシュレス決済とポイント還元制度の理解、そして煩雑化する会計、全てが新たな手間であり、大きな負担である。

手間というものを経営用語に翻訳すれば結局のところ人件費である。店主のがんばりと言ったってやはり人件費なのである。今以上の経費負担は無理、と音を上げる店も決して少なくはないであろう。実際、新税制導入に当たって準備された各種の助成金へのレスポンスがあまり良くないという報道を耳にした。いよいよ閉店準備かもしれない。

「庶民の味方」「弱者の味方」などと大見得を切って始められる制度が、日本中の商店街を完全シャッター街に変えてしまうといったような、どこか終末的な風景をもたらすかもしれないのである。もしかしたら後年、新消費税を定めたこの法律こそが小規模小売業者の死亡証明書となった、と言われるようなこともあるいはあるのかもしれない。

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ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

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