企業内で行われる研修にはさまざまなタイプのものがありますが、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが先日目にしたのは、「日本一泣ける研修」というもの。件の研修に参加した人は必ず号泣し、仕事へのモチベーションも向上するとのことなのですが…、一体どんなものなのでしょうか。
頑張りを認める機会
先日、あるレディースアパレル企業様での研修に、サポートで入らせていただきました。その会場で起こったことが、あまりにも素晴らしかったため、どうしても読者の皆様に共有したくて原稿を書いています。
「日本一泣ける研修」というものがあります。私が研修講師を始めたての頃から、講師とはなんぞやを教えてくれた師匠でもある、ねぎらいカンパニーという研修会社の兼重日奈子先生の「ねぎらい研修」です。
兼重先生曰く、研修とは、ノウハウや考え方を伝えることも大事だけれど、それ以上に、心が動く研修かどうかが大事なのだと言われます。この言葉を理解するまでに、私はものすごく時間がかかったのですが、実際に、私も含めて、その研修で心が動く瞬間を味わってしまうと、ものすごい活力になるわけです。
で、冒頭の話に戻ります。その企業様では、長い取り組みの中で、いろんな研修が行われています。その中には、リーダー、マネージャー向けの教育者研修もあれば、現場の販売員の方々のスキルアップを目指すような研修もあります。私もいくつかを担当させていただきましたが、その1つの集大成的なものとして、件の「ねぎらい研修」が実施されたのです。
研修のやり方については、実際に受けてみて初めてわかることなので、ここでは言えませんが、最中から終わった後がすごいことになっていました。会場中、何十人もの店長達がいたのですが、全員が号泣しているのです。そして、ひとしきり泣き終わった後に、目の前の先輩店長や、リーダー的存在の店長達に、感謝の気持ちを伝え、また一緒に頑張ろうという気持ちを持ってくれていました。
その後、今後何をしていくかという話の時は、誰もがものすごく積極的になっていて、「これはすぐに結果が変わるだろうな」と見ただけで感じられるくらいだったのです。そうなった本質は、ねぎらわれたこと、その一点に尽きます。
その場にいた人たち、全員が、普段から、懸命に仕事に取り組んでいます。もちろん、結果が出ている人もいれば、なかなかうまく結果が出ていない人も中にはいらっしゃいます。しかし、総じて全員が、頑張っているという事実に違いはないわけです。
その努力や頑張りを見ていた人は、ちゃんと周りにいて、その人からねぎらわれたことで、いろんな感情が溢れていたんですね。最終的には、より強固な信頼関係が生まれ、とてつもないモチベーションに包まれた場になったということです。
私自身、これまでも何度かその場を見ているのですが、やはりいつも、多くの人の心が動いていることがわかります。そして、その人達に次に会った時には、晴れやかな顔で、また努力を続けてくれているのです。だから、読者の皆様にも、改めてお伝えをしておきたいと思います。
自店や自社には、いろんな人がいます。売っている人もいれば、なかなか結果にうまく繋がらずに悩んでいる人もいるでしょう。もしかすると、一見、何の努力もしていないと思ってしまうような人もいるかもしれません。しかし、どんな人も、必ずどこかで、頑張っています。
それは仕事の中だけではないこともあります。プライベートで色々あるという人もいますし、もっと別の何かかもしれません。でも、そこをしっかり見て、ねぎらってもらいたいのです。そうすることで、その人の肩の荷が降りるかもしれませんし、努力が報われるかもしれません。
どうなるかは人それぞれですが、努力や頑張りを認めるということ、お互いを尊重し合うということが、コミュニケーションには欠かせないのです。そこからまた、発展していくこともあります。自社のスタッフ、上司でも部下でも誰でもいいです。その人達をねぎらうとしたら、どんな部分を見て、どんな声をかけてあげるのか。ぜひ一度考えてみてください。
今日の質問です。
- 今日一緒に働いていた人たちは、どんな部分でどんな頑張りをしていますか?
- その頑張りをねぎらうとしたら、どんな声をかけてあげますか?
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