ついに実施された消費税増税の影響で、多くの店では10月の売上ダウンが予測されます。しかし、「こんな時だからこそできることがある」とするのは、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさん。坂本さんは今回、自身の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で、11月以降にお客様が帰ってくる施策を紹介しています。
増税のタイミングだからこそ
ついに消費増税が実施されます。軽減税率という謎の制度のおかげで、商品や提供の仕方によっては、税率が変わる場合もあるかとは思いますが、多くのお店では、10%の消費税になることでしょう。
9月中もいくらかのお店では、駆け込み需要があったという話も聞いていますし、まぁ増税という言葉だけで消費意欲は下がるのが常なので、少なからず、お店への影響はあるはずです。もしかすると、増税対策などで、購買を促す施策を取っていないお店では、10月に入ってしばらくの間は、かなり苦戦を強いられることになるかもしれません。
こうして書くと、お店側にとっては、何だか悪いことばかりのように聞こえます。実際に、売れ行きが悪くなる可能性は高いので、確かにそうなのかもしれませんが、私としては、このタイミングこそ、1つのチャンスと捉えるべきではないかと考えています。というのは、たとえ増税により、実質的な値上がりがあったとしても、必ずお客様は戻ってくるからです。
10%の消費税になったからといって、お客様が金輪際、買い物をしなくなるわけでは決してありません。これから先も、10%なのは変わらないのですから、どうあっても、お客様もそれに慣れるしか道はなくなります(我々もですけど)。だから、少し時間が経てば、結局はまたいつも通りになるということです。
ですが、何度も言うように、最初の数週間から数カ月は、普段よりも、お客様の数が減ったり、お客様の購買意欲が下がるかもしれません。ただ、それは裏を返せば、より、サービスに力を入れられる時間や余裕ができるということもあるのです。
普段は忙しい時期が続いていたり、9月の駆け込みで、なかなか親身な接客ができなかったというお店に関しては、確実に時間的な余裕が生まれます。そこで、一人のお客様にしっかり接客ができる時間を作ることで、お客様には、「こんなに良い店があるんだ」と思ってもらえる可能性を高めることができます。
つい先日も、あるメガネ屋さんで、「増税後に売り上げが下がるのは間違いない」という話が出ました。しかし、丁寧に接客ができるお店でしたので、だったら、お客様がこれまでに買ってくれたメガネや、今お持ちのメガネを整理する時間を作ったらどうかという話になりました。
一人のお客様にしっかり接客ができるので、お持ちのメガネを一旦お客様と共に整理するような時間を設けて、それと共に、メンテナンスを促したり、足を運んでもらう機会を増やそうというわけです。厳密な内容はお伝えできませんが、「それは面白い」ということで、実際に10月度の前半で、導入することにもなりました。
これも、これまでの状況であれば、時間的な余裕がなかったために、実施はできなかったことです。
本当に丁寧に、お客様のためを思って、親身に接客サービスができているお店には、たとえ、値上げがあろうと何だろうと、100%お客様は帰ってきます。逆に、そんな部分を無視して、無理に値下げして、価格ばかりで勝負しているところほど、お客様は帰ってきません。過去の歴史を振り返っても、どんな商売でもそれは同じことです。
増税があり、売れないからと焦って、無理に売ろう売ろうとするよりも、このタイミングだからこそできる、本当に良いサービスを提供していく。11月、12月以降のお店の売り上げを決めるのは、そんな考え方なのではないでしょうか。
今日の質問です。
- 値上げがあっても、あなたが、また行こうと思える店はどんな店ですか?
- 自分たちの店では、この増税のタイミングで、どんなことに気をつけておかなければならないと思いますか?
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