本当に困るのは誰か。不登校気味の高校生が立ち直るまでの全軌跡

 

なので、あこさんにはこのようにお返事しました。

あこさん、こんにちは。パピーいしがみです。メール拝見しました。

 

長女さんが学校を休みがち、との事でしたね。「その休み方が『家は普通に出て、学校には連絡して登校せずに、家族みんなが出てから家に戻って布団に入る』というもの」、そして、カウンセリングでは、「『サボった成功体験が身について来ているので無理にでも行かせること。できたら褒めること。小さなことでもできたら褒める、しなければ徹底してやらせる』というものでした」とありましたが…私は、学校に行く、行かない、ではなく、将来の事も含めて子供がどう考えているのか?を娘さんと本音で話し合った方が良いのでは?と思います。

 

高校生になると、学校は「行かなければならない場所」ではなく、自分で選択して行く場所になります。学校に行く・行かないは、自分の意思で決めることができるのです。嫌なこともあるかもしれないし、「楽をしたい」という気持ちがあるのかもしれませんが、ただ「嫌だ」とか「楽をしたいから」と行かずにいれば、授業日数が足りなくなり進級できない、という事もあります。もちろん高校をやめることだって、選択としてはあるのですが、では、やめた後どうするのか?そんなことも踏まえてじっくり話し合ってほしいのですね。

 

あこさんご自身も、今、カウンセリングの結果と、担任の先生の言葉で大きく揺れているのですが、「学校に行くにはどうしたらいいか?だけしかお考えでないように私には感じます。が、小学生・中学生ではないのですから、ただ単に「学校に行く、行かない」ではなく、娘さんが何を考えているのか、を話し合うことが大切だと思います。

 

出席日数が足りなければ、確実に留年になり、もう一度1年生をやらなければなりません。本人がそれを望んでいるとは思えませんし、もし学校をやめたいのであれば、何かやりたいことがあるのか、とか、将来はどうしたいと思っているのか、そんなことを腹を割って話し合うべきなのでは?と思います。

 

いえ、もしかしたら、先の事は何も考えていないかもしれません。

 

もし、自分の考えがあるのなら、その考えを聞いてあげてほしいし、何も考えずにただ「学校に行きたくない」のであれば、このまま学校を休んでいればどうなるか?を教えてあげる必要があります。結果的には、年齢的にも親が主導権を握って子供を動かすのではなく「自分で結論を出させるしかないんですね。

 

もしかしたら、部活で嫌なことがあったり、友達と思っていた子に裏切られたり、いじめられていたり、勉強が難しくて付いて行けなかったり…など、学校に行きたくないようなことがあるのかもしれません。が、現時点では、そのようなことはない、とあこさんは認識をされているようです。でも、本当にそうなのか?はわかりません

 

今、はっきりしていることは、子供が学校に行きたがらない、という事だけで、何が原因かもはっきりしていないように私には感じます。だとしたら「無理にでも行かせること」も、「1週間ぐらい布団の中にいさせてあげてもいい」も、「靴を直しただけでも、抱きしめる。学校に行っても褒める」も、解決の糸口にはならない、と思うのですね。

 

親としては、子供の進む道を応援してあげたい、とお考えだと思います。大学や専門学校へ進みたいのなら、その資金も援助したい、とお考えでしょう。ですが、子供が学校よりも自由が欲しい、と言うのなら、「自分で働いて生活できれば何をやっても良い」と言ってあげてもよいと思います。

 

ですから、子供とじっくり話をすること子供の本音を聞き出すこと。何をするか?よりも、まずそれが大事だと私は思いますよ。

そのようにお返事をしたところあこさんは「学校へ行かせる事しか考えていなかった」とお返事を下さり、本人の行きたがっていたスーパー銭湯に2人だけで行って、じっくり話を聞いてみたようです。

そこで出てきたのは「部活での居場所がない」「部活やめたい」という気持でした。部活では自発的に練習もしていたようですが、実際は疎外感や孤独感を感じていたようです。

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