本能に逆らうのが筋トレ。プロが指導者に必ず伝える4つのポイント

 

3.あともう一回の精神

これは筋肥大が速筋に起こるという事を意識しなくてはいけないという事です。筋肉には大きく分けて速筋と遅筋があります。

それぞれ更に細分化されていますが、ざっくりと言えば、速筋は酸素を使わずに発揮する大きな力で、持久性には劣ります。逆に、遅筋は酸素を使う持久性のある筋肉ですが、瞬発的な大きな力は出せません。

もちろん、どちらも大切なのですが、ほぼ日常生活では遅筋が使われています。ところが、筋肥大は速筋が起こす作用ですので、日常生活とは違った刺激を与えなくてはならないのです。そして、大切なポイントは遅筋がギブアップしてから速筋への刺激となるという点です。

つまり、しんどいと思って止めていては、速筋に刺激が行っておらず、それまでの努力が水の泡となってしまいます。しんどいなと思ってからあと一回出来るのかどうか、ここが筋トレの成果をあげられるか否かの分かれ道とも言えるのです。

最初にくる「しんどい」は遅筋がギブアップしかけているのだと理解をして、そこからのあと1回2回が速筋への刺激というわけです。つまり、その1、2回しか意味が無いという事になりますが、その1、2回を手に入れるためには手前の8、9回が必要になるという事です。

4.競技では力を合理的に、筋トレでは力を不合理に使うべし

筋トレの極意は「効かせる」事ですから、重い物を挙げるのが目的ではありません。ただ一般的には重い物を挙げる方が効きやすいから高重量はお勧めですが、重さだけを追求していくとやがて効かせるという目的から外れて挙げる事が目的になっていってしまいます。つまり、力を合理的に使おうとするようになってしまうのです。

例えば、パワーリフティングやベンチプレスといった競技は、トレーニングではなく競技が故に重い物を挙げた方が勝ちとなります。その場合には効かせてはいけないのです。ましてや、野球やラグビーの場合は、如何に力を合理的に発揮するかが重要であって、より合理的な動きをしなくてはなりません。

これは効かせる事を目的とした筋トレとは真逆の行為ですので、筋トレによって筋肥大をさせっぱなしという状況では競技のパフォーマンスはあがっていかない事も理解しておく必要があると思います。

最後に筋トレや筋肉の誤解についても、機会を見つけては説明をしておく事をお勧めします。

例えば、筋トレをして筋肥大を目指した選手が怪我をしたとします。特に野球などの場合には、筋肉をつけたからだとか、筋肉のつけすぎとか、体が硬くなったからだとか、とくにかく筋肉を原因にしたがる傾向があります。では、筋トレをしていない選手が怪我をした時には、筋トレをしていないからだ、筋肉がないからだと言いますか?という反論をします。

筋肉はすぐにつく、筋肉がつくと怪我をしやすくなる、こんな漠然とした根拠もないイメージを多くの人が持っています。マスコミの影響もあるのでしょうが、もしかすると選手の父兄などもその類の誤解をしているケースがありますから、そこを解消しておくとやりやすくなると思います。

image by: Pixnio

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桑原塾塾長 桑原弘樹は、国内大手食品メーカーでサプリメント事業を立ち上げ、全商品の企画開発に携わる一方、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部PDAなどの立場で、国内外問わず多くのトップアスリートに直にコンディショニング指導を行ってきた。サプリメントは作るだけにとどまらず、「日本で一番使っているのでは」と豪語するほどのユーザーでもあり、年間300回のワークアウトも欠かさない。サプリメントやダイエットなどの分野で、多くの情報が散乱する昨今。サプリメントを作り、自ら試し、活用法を指導してきた、桑原塾長が、本物で価値あるボディメイク情報を提供すべく、スクランブル発進する!!!

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