助け合いの心と、謙虚さ。令和ニッポンを世界が頼りにする理由

 

宗教衰退で倫理観崩壊

なぜ、世界が混乱するのであろうか?世界的に宗教が衰退して、イスラム教でも信仰心がなくなっているが、宗教の持つ力は、医学、科学技術や経済合理性に置き換わり、宗教の持つ力が衰退している。しかし、宗教が衰退したことで、宗教が持つ倫理的な考え方も衰退して助け合いなどの人間相互の非貨幣的な思いやりが無くなってきている

この影響で、個人主義のミーニズムが蔓延り、富裕層が自分の利益優先で行動、貧富の差が拡大して、そのため、圧倒的に多い貧困層が富裕層を非難し始めた。このため、その目を外国に向けるために、自国第一主義などの政治的な動きになっている。世界を混乱に追いやっているのは、貧富の差でありミーニズムであり宗教の衰退ということになる。

同じように、日本でも仏教の衰退が起きている。しかし、温暖化などで大きな天災(台風、地震)が、日本を毎年のように襲い、大きな被害が出ている。

1960年代から防災インフラを整備して、1980年代には災害が少なくなり、日本もミーニズムが繁茂しそうになったが、残念ながら2000年以降、また台風も地震も温暖化で強力になり、整備した防災インフラでは防げなくなったことで、災害が飛躍的に増大したのである。

この災難は、しかし、皆の「相見互いの精神を呼び戻して、自然が、日本人の倫理観を強化する方向に作用している。ボランティアが災害各地に行き、大きな運動になっている。

自然崇拝の神道が、日本人に「相見互い」という感情を引き起こしているともいえる。神道の神は、自然の脅威などであり、その猛威から日本人が貧富の差を乗り越えて、相互に助けて、日本の地に生き残ってきたのである。ミーニズムを蔓延させない理由は、災害がいつ自分の身に降りかかるかわからないことにある。武蔵小杉のタワーマンションに住む富裕層でも災害で、家の価値が激減することになる。

災害時、皆が助けを必要とするし、資産を持っていてもいつ災害でダメなるかわからないことで、皆が謙虚になれるのである。

日本は自然災害が多いが、その代わりに自然の恵みも大きく、その自然の恵みに寄り、寿命も長いことになっている。このため、皆が助け合って生きることしかないとわかっている

このため、大金持ちはいないが、それでもミリオネアが、米国や中国の次に多いのに、その人たちは、ひっそりと暮らしている。このため、誰がミリオネアか、わからない。また、日本では、金持ちが理想の生き方でもなく、日本人の理想的な生き方は、一芸に秀でて、皆から尊敬される生き方のようである。

日本が頼り

米国の自国優先主義で、世界は頼れる存在を失いかけている。欧州でもドイツの自国優先主義で、EUがバラバラになる可能性が出ている。財政均衡主義がドイツ以外のEU諸国を苦しめている。英国がEU離脱する理由も、ドイツの移民政策に納得が行かないことである。

このため、中露の台頭が目立つが、中国も米国と同様に自国優先主義だし、ロシアはお金がなく軍事的な面では頼れるが、経済面では頼れない。

このため、経済的な面と民主主義の国として日本も頼られる存在になってきた。その中心的な役割は、日本の倫理観である。「相見互い」という感情で、世界とかかわることである。このため、日本は人道主義で行動して損得で動かないことである。

経済的面でも、米国がハイインフレになったときでも、財政均衡化でインフレを抑制して、ドル基軸通貨崩壊になるが、世界的に円で代行するデジタル決済手段を用意することである。中国も気が付いて、デジタル人民元を始めるという。

その準備が、スイカなどのICタグ決済であると見る。現金を出すより早い決済ができる。QRコード決済からメルペイなども、ICタグ決済に移行する可能性を株主総会でも述べていた。

スマホにICタグが標準で用意されている日本では、ICタグ決済もソフトを作ればできることであり、実現が難しくない。主要メーカーのスマホにICタグが付いているので、世界的な決済でも、普及できる基盤がある。

さあ、どうなりますか?

image by: Shutterstock.com

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