缶詰界の中で圧倒的。ホテイの「やきとり缶」にファンが多い理由

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災害備蓄用から高級品まで、今やさまざまなジャンルを誇る缶詰。新製品も次々と登場する中、定番中の定番として多くの人から愛されている一品があります。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、自身もファンだというホテイのやきとり缶詰を取り上げ、その人気の理由を分析しています。

「やきとり缶詰なら、ホテイが一番!」な理由

東日本大震災をキッカケに注目された「災害備蓄用」としての缶詰。そして、「缶つま」などの高級缶詰の出現。「缶詰専門の通販」や「缶詰バー」も注目されています。時を経て、再び缶詰が見直されているのです。

技術の進歩により、さまざまな料理の缶詰化が実現し、単なる保存食ではなく、日常的に食す一品となりつつあります。また、単身者の「友」としてだけではなく、食材として料理に活用する家庭も増えています。バブル期にはあまり見向きもされなかったのですが、不況になり、手軽な食材として復権したのです。

そんな缶詰の世界に、バブルも不況も関係なく、愛され続けている缶詰があります。ホテイフーズのやきとり」です。1970年、日本で最初に製造を開始したのが、ホテイフーズなのです。当時、やきとり缶詰が珍しかったことと、発売翌年から放映されたテレビコマーシャルが印象的で、人びとの記憶に深く刻み込まれたのです。コマーシャルはご存知の方も多いでしょう。

♪やきとりな~ら~ ホテイ やきやき~♪

私は、いまだにこのフレーズを口ずさんでしまいます。強烈なデビューを果たしただけではなく、その味のクオリティが高かったので、大人気商品となっていきました。「やきとり屋さんの味とイメージそのままを家庭の食卓に」というコンセプトを掲げ、こだわった商品開発に取り組んだのです。

やきとりの美味しさには、鶏肉の質、甘辛い味つけ、焼いた香ばしさ、そして炭の香りが欠かせません。これらを忠実に再現するためには、「業務用の何かで代用することはできないのです。本物の調理法で、やきとりを作るしかなかったのです。ホテイは、国産の鶏肉にこだわり、本物の炭火で焼き、しっかりと焦げ目をつけて、やきとり屋さんの味つけをしたのです。これが、いまだに多くのファンを持つ理由です。

しかし、やきとり缶詰は他のメーカーでも出しています。「はごろも」「K&K」「いなば」「明治屋」「マルハ」など。私もいくつか食べてみましたが、ホテイに勝る者はないと思っています。好みの問題もあるでしょうが、圧倒的にホテイファンが多いのは事実です。「やきとり=ホテイというイメージが刻み込まれていることも、ホテイが強い理由です。

日本に最初に登場し、コマーシャルもインパクトがありました。当時の人びとが最初に口にしたやきとり缶詰は、間違いなくホテイでしょう。ライバルのいない市場で、一気に広まったのだから、その認知度が一番になるのは当然なのです。

これを、マーケティング的には「先駆者利益」と言います。「ある企業が新たなカテゴリーで最初に商品を売り出した結果他社より好業績を収めることである」と、定義されています。ホテイのやきとり缶詰は、まさに先駆者利益を得たのです。

しかし通常は、他社が登場すると、徐々に市場を奪われるものですが、ホテイは圧倒的な存在として、君臨し続けています。その秘密は、絶対的な美味しさと飽きさせない商品づくりにあります。商品へのこだわりは先に述べましたが、やきとり缶詰ファンを飽きさせないために、味のバリエーションや他の食材と組み合わせた新商品も生み出しています。レギュラーは「たれ味」で、次に「塩味」。「ガーリックペッパー味」「柚子こしょう味」、鶏肉とつくねの「とりつくね」、鶏肉とうずら玉子の「とりたま」、「名古屋コーチンやきとり(限定)」「防災備蓄用」などが揃っています。

そして、ユニークなのが「業務用1,750g」。巨大な缶詰を一般消費者にも販売しているのです。ホテイファンなら、食べてみたいでしょう。

ここまでやきとりに力を入れているメーカーは他にありません。「ホテイが一番!」と言われるのも納得です。「たかが缶詰とは言えない商品づくりに、脱帽です。

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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