「台湾は中国の一部」とフェイク画像を垂れ流す台湾メディアの怪

2019.11.11
 

経済によって「統一」を謀る、中国の台湾「買収」工作

台湾には中国大陸から大きな利益を得ている大企業が少なくない。中国に製造拠点を持ち、シャープを買収したことで知られる鴻海(ホンハイ)精密工業などもその一つだ。中国による「統一」へのマインドコントロールは、経済界を中心に、すでに台湾社会全体にまで広がりつつある。中国は、台湾と戦争をするより買収する方が現実的だと考えたのだろう。

とはいえ、総理大臣が国慶節にお祝いメッセージを送り、習近平国家主席を国賓として招く予定を立てるなど、「親中ぶりをアピールしている日本もまた他人事ではない。経済界によって中国に洗脳された台湾の現状を「明日は我が身」の出来事ととらえるべきではないだろうか。

だが、6月に発生した香港における反政府デモにより、台湾人の心情にも少しづつ変化が表れている。連日報道されている香港デモ激化のニュースを目の当たりにし、台湾を「第二の香港」にしたくない、台湾は中国から独立すべきだとの思いが台湾人の中で日に日に増していることは、先に示した調査結果を見ても明らかだ。また、11月8日に香港デモ参加者の大学生が死亡したことで、中国共産党や香港政府に対する風当たりはますます強くなることが予想される。

運命の「中華民国総統選挙」は、2020年1月11日。中国との統一をめざしながら経済を優先するか、台湾人としての矜持をとるか。台湾は今、大きな選択を迫られている。

text & illustration: kouikusen
日本語版テキスト・MAG2 NEWS編集部

kouikusen

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