ラノベ風ゲームも?再選を目指す台湾・蔡英文総統のユニークな秘策

 

さらに、新しい選挙戦の方法のひとつとして、アドベンチャーゲームをリリースしました。日本のマスメディアでは、「これが台湾の選挙戦だ」などというタイトルで報道されています。まさに、新しい時代の選挙戦という感じです。

ゲームのタイトルは『什麼!台灣高中三年二班的我竟然掉入了異世界而且還遇見了總統!?』。日本語にすると『ええっ!台湾高校3年2組の私が突然異世界に迷い込んで総統に出会うなんて!?』。

ストーリーは、『台湾高校3年2組の生徒である主人公が校外学習で台湾総統府を訪れた際、ひょんなことから大冒険に巻き込まれていくというもの。

これが台湾の選挙! 蔡英文総統、再選目指しラノベ風ゲームになる『ええっ! 台湾高校3年2組の私が突然異世界に迷い込んで総統に出会うなんて!?』

このゲームは、携帯アプリのLINEの『小英日常』上でリリースされています。すでにリリースしているので、興味のある方はぜひお試し下さい。物語に出てくる主人公のキャラクターは、メガネをかけたおかっぱ頭の少女。どう見ても蔡英文をモデルにしています。物語に登場してくる猫は、蔡英文が飼っている猫『想想』がモデルだそうです。女子高校生の目を通して、台湾総統府を舞台に台湾の民主主義を知ろうというのが、このゲームの目的です。

さらに、蔡英文陣営では、台湾産の食材を使ったレシピ集や、外交や国防に関する英語が学べるコンテンツを公開しているとも報道されています。

携帯ゲームは台湾内の若者に向けたものです。政治をもっと身近に感じてもらうための手法でしょう。また、蔡総統が発信するコメントでは、英語や日本語がよく使われています。台湾は国際社会の一員であることの主張です。

中国が、台湾の蔡英文政権は「外国の助けを借りて自らの地位を高め、駒になることに甘んじている」と批判したことを受け、「中国の視野は狭い」と非難したことがニュースになりました。蔡総統は、「台湾は元々国際化を目指していて世界の全ての人々と友人になろうとしている」とも発言しています。

中国が民進党政権批判 蔡総統「視野が狭い」/台湾

こうした発言を見ても、蔡英文総統にとって重要なのは台中関係ではなく国際社会の中での台湾の位置づけだということがよくわかります。日本でも、マスメディアはよく来年の選挙は台湾派と中国派の闘いだと言っていますがそれは間違っています。蔡英文は台湾派ではなく、国際派です。蔡英文政権のミッションは、これからの中国を含めた世界各国と台湾との良好な関係を築くことです。中国との関係のありようで台湾の命運が左右される時代はとっくに終わっているのです。

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