ミッション系高校の悲劇。長崎「いじめ自死」学校の呆れた対応

 

2017年に発生した長崎市の高校生自殺事件を巡る学校側の対応に、各所から疑問の声が上がっています。今回の無料メルマガ『いじめから子どもを守ろう!ネットワーク』では、当案件の事実関係等を改めて紹介するとともに、同校関係者の自己保身に走る姿勢を強く批判しています。

教育者は「いさぎよい」姿勢を

2017年4月に長崎市の私立高2年の男子生徒が自殺し、第三者委員会は2018年11月に「いじめが自殺の要因」としていました。しかし、学校側はこれを不服として調査結果の公表を拒否しておりました。この調査結果を受け取ってから1年後の今月に、学校が公表に応じたとのことです。しかし、学校側は「自死との因果関係に論理的飛躍があるなどとする見解を表明しています。

平成29年4月20日発生の(当時海星高等学校2年制在籍者)自死事件について

しかも、学校はHPに掲載した文書の中で、「第三者委員会に対し根拠資料の開示や説明を求めたが拒否され続けてきた」などとして、第三者委のメンバーに対し、近く長崎簡裁に調停を申し立てる予定だと報道されています。

この事件では、両親が記者会見し、自殺の数日後に学校側が突然死したことにした方が良いかもしれない」「転校したことにもできるなどと提案をしていた事実が明らかになっています。

隠蔽工作を行い、さらに「いじめが自殺の要因」とされると調査結果を公表せず、いまだに認めようとしないという学校の姿勢は非難されても当然だと思います。

もしも第三者委員会の結論が間違っていると主張したいのであれば、なぜ、再調査委員会を組織しなかったのか、疑問が残ります。あるいは、調査結果を受け取って、すぐさま裁判で是非を問わなかったのでしょうか。やれることはあったはずです。1年も放置しておいて「なにをいまさら」不服を申し立てるのでしょうか。対応がおかしいことを学校自らが認めているようにしか見えません。

この学校は、ミッションスクールであり、教育理念の一つとして「『己のごとく人を愛せよ』とのキリスト教の愛の精神により、人間の尊さを学び、思いやる心を大切にする教育を行います」と掲げています。宗教の学校であり、教育者である「聖職者」であるならば、天に召されたときに、イエス・キリストの目の前にて、「私は聖職者として立派な人生を生きました」と言えるようでなくてはならないと思います。教育者は保身をはかるのではなく子供たちに恥じないいさぎよい姿勢を示してほしいものです。

私たちもひとりひとりの子どもたちの抱えている悩みを一緒に考えられる大人でありたいと思います。先日、「NPO法人BONDプロジェクト」さんからメールをいただきました。NPO法人BONDプロジェクトさんは、「10代20代の生きづらさを抱える女の子のための女性による支援」をテーマに、居場所を失った女の子の自己肯定感向上や自立に向けた支援を行っている団体です。ちなみに代表の橘ジュンさんは、渋谷の街でさまよう女の子の声を聞き続けていることで有名です。

そのBONDさんが、東京都自殺対策事業として「東京都在住の小学生中学生の女の子専用LINE」(LINE ID: @bondproject)を期間限定で開設するそうです。相談できる日は、

  • 2019年11/10・11/24・12/8・12/29
  • 2020年1/12・1/29・2/9・2/23
  • 相談受付時間 午後4時~午後7時

あくまでも、東京都に住んでいる中学生の女の子専用とのことです。その他の電話、メールでのご相談は、「NPO法人BONDプロジェクト」をご参照ください。

教師間の「いじめ」のニュースも相次いでいます。大人ですから明確に暴行事件、傷害事件として報道してほしいものです。さて、年末に向けて子どもたちにとっては大切な時期です。なにか気にかかることがあればご相談いただけたらうれしく思います。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

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「いじめ」と学校の「いじめ隠ぺい」から、子供たちを救うための、父母によるネットワークです。いじめの実態やいじめ発見法、いじめ撃退法、学校との交渉法、いじめ相談などを掲載します。

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【著者】 いじめから子供を守ろう!ネットワーク 【発行周期】 週刊

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