GSOMIA破棄目前。文在寅の反日政策が「日本に有利」という皮肉

tsuda20191118
 

米国の再三の「再考要求」にもかかわらず、GSOMIAの破棄に向けてひた走る文在寅大統領。その先には「脱日米、北朝鮮主導の朝鮮半島統一」があるとされていますが、隣国がもたらす混乱は日本にどのような影響を与えるのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者の津田慶治さんが、マイナス要素が強調される一連の動きを「日本の大チャンス」としその判断理由を記すとともに、日本が今すぐ取り組むべき「課題」を列挙しています。

韓国問題を考える

韓国の文政権は、23日に迫るGSOMIA破棄撤回をしないと米国防長官に表明した。韓国は米国の反対を押し切り、北朝鮮主導の朝鮮統一に向かう。何が起きるのか、今後を検討しよう。

米国株価

NYダウは、とうとう11月15日に222ドル高で史上最高値28,004ドルと28,000ドル台に乗せた。PERは18倍台に乗せて、非常に割高な水準になっている。

その理由は、1つに10月アメリカ小売売上高は、前月比+0.3%と好調な消費者性向があるし、もう1つが、トランプ大統領は、弾劾調査で不利な状況になっているので、株高を進めて不利な状況を覆したいようで、このため、米中通商協議が、うまくいっているとクドローNEC議長に言わせている。

しかし、トランプ大統領が中国に求めていた500億ドルの農産物購入の取引条件として、すべての関税の撤廃を中国が求めたが、トランプ大統領は拒否したので、中国が200億ドルの購入と国営企業への補助金停止の代わりに9/17分の関税を止める方向で進んでいるかどうかですね。中国は金融市場開放と知的財産権保護については実施すると言っている。しかし、詳細は不明。

現時点の株価上昇は行き過ぎであるが、その市場の熱狂を盛り上げるような発言をして、株価をより一層上昇させている。今は、バブル絶頂期で、悪いニュースを見ずに良いニュースだけを見て、株価は猛然と上がり、熱狂の中にいるので、その相場に巻き込まれてしまうことになる。

農林中金や日本の地銀は日銀と金融庁からの注意を受けて新規にCLO債を買わないことでCLO価格が急落している。CLOの元であるジャンク債が売れずに、それを発行するシェールオイル会社の資金繰りができずに倒産が増えている。

これと並行して、WeworkのIPO失敗でIPO人気が急落している。大企業の自社株買いも社債発行量の限界にきて一段落した状態である。米企業利益はそこそこであるが、ウーバーやリフトなどでは、労働争議になり、利益が減る方向であり、株価は下がっている。

その上に、ウーバーでは、決算発表前後のロックアップ解除後、創業者カラニック氏が、同社株21%を売却している。このように、多くの経営者は、自社株を売り、暴落に備え始めている

ここは、米国株投資をしている人は、利益確定をして当分お休みが一番良いような気がする。現金ポジションを多くしておけば、暴落時に割安株を買えることになる。ジム・ロジャーズ氏も同じことを言っている。

しかし、今が一番、上昇する可能性も高いので、相場に巻き込まれる人が多いのも事実である。

日本の株価

日経平均株価は、2018年10月2日24,448円になったが、以後低調で、12月26日18,948円と暴落し、その後はレンジ相場になり、10月から売り残の買戻しや海外投資家の大幅な買い越しで、連日の年初来高値になっている。たぶん、海外の買いの半分以上は投機筋の先物買いで、24,000円に向けて上昇している。

11月15日23,303円となり、11月11日23,520円から落ちたが、NYダウ上昇で割高になり、日本株が割安に見えることで、海外投資家が押し寄せている。このため、当分、上昇する可能性があるが、熱狂相場が日本にも来たことになる。このため、日経平均もPERも14倍台になり、そろそろ割高な水準になってきた。

2019年1月当初、19,650円で始まったので、4,000円も上昇したことになる。しかし、自動車業界の売上高、利益が大幅な減額修正になっている。このため、1株当たりの利益としては、10月始めは1,750円であったが、企業業績の下方修正と株価上昇で、現在1,665円と100円も下がっている。

今後、景気上昇が見込めるかというと当分は無理である。しかし半導体産業は、5G関連で期待できるようであるが、工作機械などでは、当分無理のようで、米中貿易戦争が解決しないと中国の投資が増えないと見ているようだ。

悲観論はここまでだ。衰退途上国ニッポンを再興させる一筋の光明」でも書いたが、日銀の金融政策の方針を転換する必要がある。バブル抑止に替えることだ。最低でも、当分、株価が下がってもETF買いはしないことである。米国のバブル崩壊、経済崩壊に巻き込まれてはいけない。

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