サクセスストーリーや商品開発奮闘記が誰からも好まれるように、販売する商品のブランドや商品名の「由来」を「ストーリー」仕立てでお客様に伝えられたら、購買意欲をより刺激できるかもしれません。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、ブランド名や商品ディテールに隠れた魅力的なストーリーの紹介事例を記しています。
由来を知る
日本のアパレル企業で、おそらく、現在最も有名なブランドといえば、「UNIQLO(ユニクロ)」ではないでしょうか。多分ですけど、当メールマガジンの読者の方で、名前も聞いたことがないという人は、まずいないと思います。誰でも、ある程度、どんな店なのかもイメージできるブランドですよね。
さて、突然ですが、ここで皆さんに質問です。「ユニクロ」という名前の由来を知っていますか?ちょっとシンキングタイムを取りましょうか。
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はい、ここまで!社名の由来、わかりましたか?
アパレルに勤めている人なら、知っている方も多いと思いますが、「ユニクロ」は当初、「ユニーク・クロージング・ウエアハウス」(UNIQUE CLOTHING WAREHOUSE)という名前でした。「ユニーク(独自の)」「クロージング(衣類)」「ウエアハウス(倉庫)」です。広島市に1号店ができた際に、この名前でオープンしたわけです。
当初の略称は、「UNICLO」でしたが、会社登記の際に書き間違いが起こってしまい、「UNIQLO」になってしまったんですね。なかなか面白い由来だと思います。私は、こういう「由来」が結構好きです。なぜなら、そこには多くの場合、ストーリーが存在しているからです。
商品をお客様に提案する時には、よく、ストーリーを伝えようという話が出てきます。その商品が生まれた背景や想いを伝えることで、お客様に魅力が伝わるからというのが、大きな理由です。そして、それは当然、名前や形状にも表れています。
さすがに、自社や自社ブランドの名前の由来を知らない人はまずいないとは思いますが、では、商品名についてはどうでしょうか?「〇〇」という商品名がついていたとして、なぜその名前になっているのか、その由来をどれだけ理解できてますか?もし商品名の由来を知っていたとしても、では、その細かいディティールなどについてはどうでしょう?
例えば、ファッションの話で言えば、最近見る機会は減った気もしますが、ダッフルコートというものがあります。厚手のウール生地に、特徴的なトグルボタンと呼ばれるボタンが思い浮かびますよね。通常のコートは、普通によくあるボタンなのに、なぜダッフルコートは、トグルボタンなのか。
それは元々、イギリス海軍の共用防寒着で、極寒の海の上で、手袋などをしたままでも、簡単にボタンが閉められるから。また、本来はポケットも大きく、フラップ(蓋)がないものなのですが、これも、手袋をしたまま手を入れられるようにという仕様です。
こういう由来を知ることで、「だから、ダッフルコートは、雪深いような極寒の地で使うのに便利なんですよ」というストーリーとともに、魅力を語ることができるということですね。あくまでも一例ですが、どんな商品にも、こうした由来は存在しています。
それぞれの由来を知ることは、どんなメリットがあるのか?また、その由来はどうやって学べば良いのか?ぜひ、気になるものの由来を調べてみてください。商品知識の幅が広がりますよ。
今日の質問です。
- 由来を知ることで、接客にどんなメリットがあると思いますか?
- 今扱っている商品やブランドの中で、由来がわからないものをいくつか調べてみましょう
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