1つ目の筋線維を壊すトレーニングに関しても、理論的にも経験則的にもだいたい80%1RMで8レップが理想とされています。逆にこれ以上重い負荷にしても、先のフォームを崩す原因となるだけで必ずしも効果的ではないというわけです。
また2つ目の筋肉を合成に向かわせるというトレーニングは、更に重さ以外の要素がクローズアップされてきます。例えばスロトレやハイレップトレのように、筋肉内の酸欠を促進させて乳酸を溜めるようなトレーニングは合成のスイッチが入りやすいとされています。この場合はもはや重さというよりも、他の要素をもってトレーニングの刺激を高めるといった方がいいかもしれません。
質問の答えがトレーニング以外になってしまいますが、栄養という観点も重要となってきます。筋肉の材料となるタンパク質や必須アミノ酸がしっかりと補充されているということが前提になりますが、そこに加えてたとえばBCAAやHMBといったアミノ酸に関しては、合成のスイッチのエムトールのリン酸化を促進させることが分かっていますから、筋肥大には効果的と言えます。
もう1つ見落とされがちな要素は、合成ではなく分解を抑えるという発想です。合成と分解は綱引きと同じ状態ですから、合成を促進させるという要素と同じくらい分解を抑制するという発想は大切であり、また効果的なのです。
例えばトレーニング中は筋肉の合成はほとんど起こりません。むしろ分解に傾いていきます。ところがトレ直後から、一気に合成が勢いを増していってある時点で形勢が逆転をして最終的に合成が優位となるのが一般的です。そこでより合成を優位にするために、トレーニングに絡めて分解を少しでも抑える工夫があると、これも筋肥大の要素のひとつとなります。
代表的なものは、なんといっても糖質です。トレ直後の糖質はタンパク質以上に筋肥大には有効であって、それはすなわち分解の抑制という要素が重要ということでもあります。トレ直後にMD(マルトデキストリン)を摂取するのもいいですし、トレ中にCCDをBCAAと一緒に摂取しながらトレーニングするというやり方もトレ直後からの分解抑制と合成促進に効果があります。
アミノ酸でいえば、グルタミンが分解抑制には効果があります。トレーニングの前後に摂取するのもいいですが、就寝前などの摂取も睡眠時の分解を抑えてくれるという点において効果があります。特にこのタイミングは糖質の摂取を控えたいタイミングでもあるため、アミノ酸であるグルタミンの利用度はグッとあがっていきます。
質問の本質に戻りますが、重い方が効果的というのは単に重量を重くした方がいいという意味ではなく、トータル的な運動強度を高めていく中で重量というのは中心的な要素であるという意味です。
もし同じ内容のトレーニングをこなすならが、少しでも重い方が運動強度が高くなるため、筋肥大の効果もあがりやすくなるということです。効かせるという事に意識を集中させて、それが出来るようになったら少しでも従来よりも重さを増やしてみるという流れがいいと思います。
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