もはや笑うしかない。日本の生産性をダメダメにした5つの大問題

 

とにかく、コンピュータが使えないとか、文書が多いだけでなく、こんなに多くの要因が重なって、人の時間と労力を奪っているのですから、生産性が上がらないのも当然です。そうした問題を明らかにして、どうか生産性本部の皆さんは、本当に日本のオフィスにおける仕事の進め方にメスを入れていっていただきたいと思います。

そもそも働き方改革というのはそれが趣旨であったはずです。文書を削減し、会議の参加人数を減らし、権限を委譲し、コミュニケーションを効率化する、その結果として同じ業務量でも2倍、3倍の効率が生まれる、その結果として長時間労働が不要になる、これが働き方改革のはずです。

そうではなくて、働き方改革のために残業ができないので、管理職が実務を抱えるとか、その果てに働き方改革のために生産量や受注など、経済の規模も縮小するというのでは本末転倒です。

日本経済において、ホンモノの経営者はどこへ行ったのか、そんな絶望感すら感じられるのです。その絶望も、そして日々の「非効率な業務」も、本当は無駄な不幸なのだということ、とにかく日本よりも「ラテン系」の諸国が日本以上の生産性を上げている、その現実を直視して、現在の日本の職場に蔓延している不幸がいかに無駄でバカバカしいのかをしっかり認識していかねばなりません。

image by: SubstanceTproductions / Shutterstock.com

冷泉彰彦この著者の記事一覧

東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 冷泉彰彦のプリンストン通信 』

【著者】 冷泉彰彦 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 第1~第4火曜日発行予定

print
いま読まれてます

  • もはや笑うしかない。日本の生産性をダメダメにした5つの大問題
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け