現役医師が警告。赤身魚の刺し身によるヒスタミン中毒に要注意

 

ヒスタミン食中毒が起こる状況

前述のように、ヒスタミン食中毒の原因となる魚は、「ヒスチジン」というアミノ酸を多く含む赤身魚です。代表的な魚は、マグロ、ブリ、サンマ、サバ、イワシです。シイラは、別名マヒマヒで、青魚でかつ赤身魚です。

これらのヒスチジンを多く含む魚を暑い夏に「常温で放置」するとヒスタミンを産生する菌が増殖し、ヒスタミンが生成されるのです。これらの魚をフライで調理すると細菌を死滅しますが、ヒスタミンは消えません。今回もフライした魚でした。地球温暖化の影響で毎年の夏が猛暑となっています。そんな中で赤身魚を暑い室内で放置すると、ヒスタミンがたくさん作られます。私の予想では、地球温暖化のためにヒスタミン食中毒が増えると思います。

ヒスタミン食中毒を予防する方法は解凍した後で常温に放置しないことです。解凍したらすぐに食べるようにしましょう。また、以前に私が治療した患者さんは、スーパーでの売れ残りセールのマグロの刺身を夜中に購入してそれを自宅で食べた男性がヒスタミン中毒で救急搬送されました。スーパーの食品売り場での冷蔵であってもヒスタミン食中毒が起こりうるので、私は売れ残りセールの刺身は避けるように注意しています。

●文献:
山木将悟, 山崎浩司。水産物におけるヒスタミン食中毒とヒスタミン生成菌。日本食品微生物学会雑誌 36 (2), 75-83, 2019

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