「キムタクを痛いと言う奴はずっと脇役」高橋克明さんインタビュー

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2018年まぐまぐ!大賞を受賞し、日本の若者たちにメルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』を通していつもハッパをかける、マンハッタン在住で全米発刊邦字紙「ニューヨークBIZ」CEO兼インタビュアーの高橋克明さんがこの度、初の著書を出版しました。高橋さんのメルマガ愛読者だった編集者が声をかけたというこの企画、著書のタイトルはズバリ『武器は走りながら拾え!』。ちょうど来日中の高橋さんに、今回の出版への想いを聞くため、著書の担当編集者さんがインタビューしてくれました。

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キムタクのドラマ見て、「痛い」と言ってる奴は、ずっと脇役人生だよね

―― この度は、出版おめでとうございます。まず、タイトルについて伺います。『武器は走りながら拾え!』そして、サブタイトルが、『大学中退、英語力ゼロ、海外旅行経験ナシ!「憧れ」と「衝動」だけでNY(ニューヨーク)に新聞社を創った男の行動メソッド』。すごいインパクトですね。どうしてこのタイトルになったのでしょう?

高橋克明(以下、高橋): タイトルに関しては、最後まで悩んだんです。セールス的に言ったら、「武器」って、ネガティブな言葉だから手に取りづらいですよね。リスキーかなと。

――確かに。強すぎますね。

高橋:女性が買いづらいかな? とか悩んで、他に4つくらいのタイトル候補を出しました。でも、よくよく考えたら、今までの僕の人生の中で何かをやるときに、準備万端で始められたことなんて一度もなかったんですよ。いつも、準備不足でスタートダッシュ(笑)。だからこそここまで来れたと思ったら…やっぱり『武器は走りながら拾え!』に一番気持ちが動いたんです。編集者も、「売れなくてもタイトルのせいにはしないから、これでいきましょう」と言ってくれたので。

――つまり、このタイトルに高橋さんの生き方が体現されていると。

高橋:僕は今まで1000人以上の日米のトップで活躍するアーティストやスポーツ選手や起業家をインタビューしてきました。でも、僕が雑誌や新聞でインタビューされる側になることも何度もあって。あ、今日もそうですけれども。そこで必ず聞かれるのは、やっぱり、「英語力がゼロで、海外旅行の経験もなかったあなたが、どうやって新聞社を創ったのか?」と、同じく、「どうしてニューヨークでインタビュアーになれたのか?」という質問です。もう、絶対聞かれる。

僕は、こう答えます。「語学力とか、資格とか、ビザとか、渡米して働きながらそうした道具を揃えていきました。走りながら、その都度、武器を拾っていきました」と。僕はそれほど意識しないで普通に答えていただけなんだけど、なぜかこの「武器は走りながら拾った」という言葉は、絶対に見出しになるんです。

――ちなみに、ボツになったタイトル案というのは?

高橋: 「まずはペンキをぶち撒けろ!」、「見る前に飛んじゃえ!」、「結局、人生は行動だ!」だったかなあ。

――いや、ダントツで『武器は走りながら拾え!』でしょう。そして、その下のサブタイトル、『大学中退、英語力ゼロ、海外旅行経験ナシ!~』の部分で、おや? と思いました。昨今、誰もが、“盛る”時代になってきました。料理や部屋のインテリア、自撮りはもちろんのこと、自身の人脈や知識量、やっている仕事や、恋人との関係まで、SNSで盛り続ける人が増えています。知り合いのSNSとかを見ると、こちらが恥ずかしくなるくらいに。だけど高橋さんのこの本、全然盛ってないですよね? 盛るどころか、むしろ目減りさせているというか(笑)。正直すぎるくらい、失敗続きだった過去を書かれています。

高橋:あははは。いや、実はこのタイトル、逆の意味で“盛っている”んですよ。ブランディングをしているんです。 

――逆盛り、ということでしょうか。 

高橋:今、みんながみんな、〈自分は何者かである〉というふうにプラスに盛ってアピールする中、逆に「大学中退、英語力ゼロ、海外旅行経験ナシ!」というマイナスの要素は、日本だと逆に十分なブランディングになるんじゃないかと思っているんです。

――決して不幸自慢ではなくてね。

高橋:20代の頃なんて、何も持っていなかったけど、不幸だと思ったことはないですから。僕は自他ともに認める、カッコつけたがりなんですよ。大学中退、英語力ゼロというのは、その時点ではカッコ悪いように見えるけど、でも、それでニューヨークに新聞社を創ったというのは、逆にカッコいい!と思っちゃっている。

今、SNSでは、盛る人がいる一方で、ずっと不幸自慢をする人も多いですよね。自分の不幸を言葉にして、承認欲求を満たしている人が少なからずいるように思います。でも、不幸自慢する人って、ドラマの中では脇役じゃないですか。

僕は、自分はいつも腐っても主役でありたいと勝手に思っているので、不幸自慢はしません。脇役みたいなことは。

――確かにそうですね。この本を読むとわかります。高橋さんは、不幸自慢はしていない。不運を転機にして、成功へ近づいている感じがします。

高橋:僕、岡山の田舎のバカな不良中学生だったんです。その頃、悪いことをいっぱいしたけど、万引きはしたことがないんですよ。だって、僕が読んでいた不良ドラマや不良マンガの主人公は、万引きはしていなかったから。

不幸自慢をする人であったり、ちょっと自分は「悪」だとアピールする人、たとえばハロウィンパレードで周囲の人に迷惑かけてぶち壊しているような人は、もったいない人だと思います。「それは悪いことだよ」、というよりも、「それをやったら脇役になっちゃうよ」という気持ちが強くて。もうちょっと、カッコつけてもいいんじゃない? と思っちゃう。

――カッコつけている人に対して、どんどん不寛容になってきていますよね。「アイツは痛い」とか、笑い者にする風潮があります。……たとえば、今の芸能界でいったら、その痛いスター代表がキムタクになっていたり。キムタクが何をやっても、ドラマでどんなにすごいヒーローを演じても、匿名のSNSで「痛い」と嗤う人がいる。長年トップを走り続けるためにすごく努力していて、誰が見てもカッコいい人を、「痛い」とカテゴライズする今の日本の空気、高橋さんにはどう見えますか?

高橋:僕は木村拓哉さん、大好きです。ハリウッドスターではトム・クルーズ(笑)。ど真ん中のキャラが好きなんですよね。だって、自分もど真ん中のキャラだと勝手に思っているから(笑)…って、こんなこと言ったら、「お前こそ痛い」って叩かれるんだろうな(笑)。でもね、「痛い」って評論しているかぎりは、ずっと脇役だと思う。そういう脇役がいてくれるから、彼らはど真ん中でい続けられるんだと思います。だから、多分トム・クルーズもキムタクも、「痛い」と言われても、「言ってろよ」と心の中でニヤニヤしていると思いますよ。

――「痛い」と言われるのは、別に気にしない。

高橋:だって僕は、ニューヨークで生きていますからね。ニューヨークは、日本と比べると、痛いヤツだらけですよ。だって、痛くないヤツは顔を覚えられないから。だから僕にしてみれば、日本で闘っている人は、すごいと思いますよ。3か月前の流行語を言ったら「おわってる」とか言われて、後ろ指を指されちゃうような空気なんでしょ? そんな空気の中で闘うのって、すごいよね。だから僕は、「あいつはKYだよね」と言われたら、ホメ言葉と思った方がいいんじゃないかと思っています。あっ? KYという言葉自体が終わってんのか(笑)

――タイトルもそうですが、高橋さんの言葉の感覚は面白いですよね。本を読んでいても、印象に残るキャッチフレーズがたくさんありました。特に私が興味深かったのは、この見出しです。〈日本は足のつくプール、世界は底のない大海〉。日本て今、先が見えなくて、加速度的にすっごく生きづらい国になってきたと思うんですが……それでも足の着くプールなの?って。そんな優しい国かよって、ちょっとイラっとしましたよ。 

高橋:うーん…それも空気なんじゃないですかね。極端な言い方かもしれないけど、水道水が飲めて、夜に女性が一人で歩けるんでしょ? そんなのプールですよ、絶対。経済がどうで、政治がどうで、希望がないと言うけれど、水道水が飲めるじゃん、と。世界を知らないからじゃない? それとも、日本人の好きな謙遜なのかな。

――いやいや、日本人はもう、世界に向けて謙遜する余裕なんてないですよ。その証拠に、「日本すごい」「日本素晴らしい」「日本人は世界一」という主旨の本がたくさん出てきています。自信がないことの裏返しだと思うんです。

高橋:なるほど。僕は日本に暮らしていないから、とてつもなく日本は豊かな国に見えるんです。すごい安全だし、モノが溢れているし。だから、反論が来るかもしれないけど、「それって、下を向いて歩いているからなんじゃないの?」と思います。いや、現実的に、被災地の問題、高齢化の問題、介護の問題、若者の就労問題、教育問題、税金や国債の問題、男女格差や貧困問題など、他の国と同じように様々な問題が横たわっているのはわかりますよ。でも、それらを踏まえたうえで、やっぱりプールに思えてしまう。アメリカの格差の方が、比べものにならないほど大きいわけだし。

――今、日本でも大ヒットしている『ジョーカー』を観るとそれは感じますね。

高橋:そうですよね?『ジョーカー』を観ると感じるよね。それでも、「そんなことはない。日本だってゴッサムシティと似たようなもんだ。足の着くプールだなんて、ふざけるな!」と怒る人がいるかもしれないけど。でも、僕が日本に来るたびに、「プールじゃん!」と感じちゃっているから、感じたままに言っているだけですよ。

ニューヨークは、毎日のように誰かに差別をされて、毎日のように誰かを差別して生きているような街です。何が差別で、何が差別でないかさえ、もう分からない状況なんです。それをどう受け取るかというのは、個人の問題だし。極論を言うならば、たとえば今回、ビザがものすごく厳しくなったんですよ。あれも差別なんですよ、はっきり言って。僕だって、日々差別されていますよ。別に、「ファッキン!ジャップ!」と言われているわけではなくて、たとえば、ビザが取れなかったり、イエローの人は、出世の階段が相当長かったりする。そういう目に見えない差別がゴロゴロ転がっています。

――それでも高橋さんは、ニューヨークが好きなんですよね。

高橋:僕はニューヨークで暮らしていますが、妻も日本人で、幼い双子の子どもがいます。うちの子が通っている幼稚園には、白人、黒人、中国人、スパニッシュ…当たり前のようにいろんな国の子どもたちがいます。

先日も息子がね、「パパ、今日、ジェイコブとケンカしたよ」言ってきたんです。だから、「ジェイコブってどの子? 髪の毛は何色? 肌の色は何色?」って僕、息子に聞いたんです。でも、4歳児の息子は、ジェイコブの髪の色や肌の色を覚えていないんです。つまり、自分との違いを認識していない。だから、差別の意味がわからないまま大人になるんだと思います。大人が子どもに、「あの子は〇〇だけど、差別しちゃダメだ」と言っている時点で、実は差別を植え付けているんですよね。ひょっとしたら、本当に世界を変えられるのは、この子らの世代なのかな、と考えるときがあります。「大学中退、英語力ゼロ、海外旅行経験なし」で大人になった親からこんな子どもが育つのって、なんだかすごくないですか? 差別意識がないことって、人生において強力な武器になりますよ(笑)。

――最後に。この本、どんな人に、どんなふうに読んでほしいですか?

高橋:現状に満ち足りている人は、多分、この本を手に取らないと思うんです。何かが足りないとか、何かをしないといけないとか、何かから逃げちゃった……と、今、ジリジリしている人には是非、読んでほしいと思います。夢を諦めて後悔をしたことがある人、今もそんな自分が許せないと思っている人、もうちょっと自分は出来るはずだと思っている人に。何かをやり直すのに、遅いなんてことは絶対にないと思うんですよ。生きている限りは。でも、人生一度きりですから。もしも人生が二度あったら、僕はこんなに走ってないと思います(笑)。

――ありがとうございました。 カバー入稿

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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