前向きだった新人を2週間で「辞めたい」と思わせた店がしたこと

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大きな希望を持ち新しい職場に入ってきた若者の情熱を、たったの半月ほどで奪ってしまう…。そんな残念極まりない事例を紹介しているのは、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさん。坂本さんは今回、自身の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で、そのような事態が起きてしまった背景と、企業や店舗サイドが「絶対にすべきではないこと」を記しています。

見せてはいけない光景

専門学校で、販売の授業をさせてもらっているのですが、今日の授業で、生徒から、とても残念な話を聞かされました。その生徒は、あるアパレル企業に就職が決まっていて、実習でここ2週間ほど、その企業のショップへ行っていました。しかし、今日少し久々に会ってみると、「アパレルやりたくなくなりました」と相談されたのです。よくよく話を聞いてみると、その生徒は、本当に可哀想な状況に追い込まれていました。

ショップ経験自体がない生徒でしたが、例えば、お客様を接客していると、「私の客を取らないでよ!アパレルの常識知らないの?」と怒られたとか。例えば、派遣さんが休憩に入った途端に、その派遣さんの悪口大会が始まったとか。例えば、誰が指導につくのかを、実習が半分終わってようやく言われたとか。

店舗の雰囲気も悪く、近隣の他の店の売上が悪いことを笑っていたりなど、今思い出しても、にわかには信じられないことばかりを、その生徒に見せていたのです(しかも、ほとんど全部の行為は、店長がやっていたことです)。その光景を見て、その生徒は、「アパレルやりたくない」と思ってしまったというわけなんですね。

とても真面目な生徒で、しっかりと前向きに仕事に取り組もうとしていただけに、本当に残念なことです。当然、こちら側としても、良くなるように対処はしますが、それ以上に、なぜそんな光景を見せてしまったのかに対して、怒りを覚えています。

これから店や企業に入ってくる人というのは、その店や企業にとっては、宝です。新人さんが今現状どうであれ、人材として、自分たちの店を選んでくれたのですから、育てる責任はありますし、その人が育てば、結果自分たちが得をします。そんな状況の人に対して、たとえ普段がどうであれ、見せてはいけないものというのはあるはずです。

もちろん、普段から良い環境にしておくのがベストなのですが、時には、思わず愚痴をこぼしたくなったり、何かネガティブな部分が出てしまうことだってあるでしょう。その気持ちはわかります。ただ、それを見ている人は一体どう感じるでしょうか?その光景を見て、「私はここで働き続けたい」と思えるでしょうか?

その生徒は、わざわざ地方から東京へ来て、一人暮らしをしながら、それでもアパレルで働きたいと思って、頑張っていたわけです。それをたった2週間という期間で、やりたくないと思わせるのですから、よっぽどの光景だったのでしょう。本当に怒りを通り越して、悲しくなります。

私もせっかく関わった生徒なので、これからどうしていくかは聞きながら、できる限りのサポートをしていきたいと思いますが、同じような思いをさせてしまっている店やスタッフは、他にもいるのかもしれません。決して自分たちがそんなことにならないよう、気をつけていただきたいものです。

なかなかネガティブな話で申し訳ありませんが、どうしても、こんなことが起こっているということは知ってもらいたくて、書きました。

店で普通にやっているつもりのことが、周りの人からどう見えているのか、ましてや、新人さんにそんな光景を本当に見せても良いのか。ぜひ、改めて考えてみていただきたいです。

今日の質問です。

  • 「この店で働きたくない」と思ってしまうような光景には、どんな光景がありますか?
  • 逆に、「この店で働きたい」と思えるような光景は、どんなものですか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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