日本も他人事では済まぬ。台湾出身の評論家が警告する真の危機

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香港では半年に渡り大規模なデモが続き、中国ウイグル自治区での人権弾圧に対して世界的な批判が沸き起こるなど、混乱の火種が尽きない東アジア情勢。そんな中で来年1月に総統選を控える「民主国家」台湾にも、さまざまな問題が見え隠れしているようです。台湾出身の評論家・黄文雄さんは今回、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、歴史的事実や中国との関係、さらに先日訪れ目の当たりにした故郷の姿などを総合的に勘案し、「台湾の真の危機」をあぶり出しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2019年12月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【台湾】台湾の真の危機を問う

11月末に台湾へ行ってきました。台湾では各界の友人や知人と意見交換をし、見聞を広めてきたと同時に、私自身の目で今の台湾についての分析をしてきました。今週のメルマガでは、そのことについて書きたいと思います。

2020年1月に予定している台湾の国政選挙は、台湾危機」として捉える人がいます。それは十数年来、台湾が進んできた「民主主義を失ってしまう危険があるからです。日本のシーレーン問題、沖縄・尖閣などの領土問題をも含む大きな危機です。

選挙の結果次第では台湾が「中国の一部」になる可能性があり、そうなった場合、日本にとっても安保の面で大問題となります。産経新聞社の『正論』という雑誌でも「台湾危機」として緊急増刊号が12月10日に発売される予定です。

しかし、真の「台湾危機」とは何なのか。「危機」というものは、顕在的なものもあれば潜在的なものもあります。長期的なものもあれば一時的、短期的なものもあります。前者については、例えば文化、文明的なもの、国家、民族的なものである「文化、風土」などの、長年にわたって累積された問題です。

2018年に台湾で行われた「九合一」地方選挙では、台湾の旧勢力である国民党が勝利しました。しかし今回の選挙では現在のところ、支持率調査によると国民党候補は劣勢と言われています。しかし、この支持率調査の仕方に問題があると国民党候補の韓国瑜氏が異論を唱えています。民進党は、選挙での優勢を示す根拠としてよく支持率調査の結果を持ち出してきますが、そもそもその調査は民進党支持者を対象にしたものではないかというのです。

韓国瑜氏は、支持率調査依頼の電話があっても拒否して下さいとフェイスブックで呼びかけています。これに対して民進党陣営は、もちろん支持率調査の正当性を主張しています。こうした問題が起こること自体、まさに選挙戦真っただ中といった感じです。

しかも、台湾の選挙では、支持率の結果が選挙結果と必ずしもイコールではないことが多々あります。そこには台湾の伝統的な風習と言っても過言ではない「地下賭盤」と言われる「選挙賭博」があります。これが結構、選挙結果を左右するほどの影響力を持っているのです。「民意よりも賭盤が選挙結果を決めるとさえ言われています。一説によると、中国共産党が国民党候補を勝利させるために賭博を煽っているとの噂もありますが、真偽のほどは定かではありません。ただ、選挙とカネは切っても切れない関係にあるのは確かです。

日本では、賭博といえばパチンコ、競馬、競艇などがありますが、台湾ではそれらは禁止されています。台湾の合法的な賭け事の代表は「楽透(ロト)」でしょう。しかし、ロトだけでは退屈なのか、台湾では非合法の「地下賭盤」も大人気です。近いとろことでいえば、今年10月に行われた「2019アジア野球選手権」の結果についてなど、スポーツ関連も多く行われています。

選挙についての予想が難しいのは、この「地下賭盤の存在が大きいからでしょう。

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