NTT代理店問題
ネットで「NTT 代理店」と調べると、「営業 しつこい」とか「上手な断り方」というキーワードが出てくる。つまりは、NTTの代理店からの営業電話が酷いのだ。
私は探偵として相続問題に関わることが多いが、高齢の方がほとんど使わないネットやそれに伴うセキュリティ機器が多重についているという場面にもよく出くわす。ほとんどは、「NTTからのお知らせ」だと勘違いして、余計な契約をさせられたり、余計なオプションをつけられてしまったというものだ。
例えば、マンションなどの集合住宅に住んでいると、「集中工事のお知らせ」などのチラシがポストに投函されていて、訪問予定日まで書いてあるものもある。こうしたチラシを点検の折のお知らせだと勘違いしてしまうケースもある。
営業熱心なのは仕方ないことかもしれないが、客が勘違いするような説明をしたり、重要な説明を省くことはルール違反と言えよう。
この状態をNTTが放置しているとは言わないが、少なからず積極的ではないし、無法状態になっているといえる状態だ。
営業電話を止める方法
電話の契約やインターネット回線の営業など、しつこい営業電話や詐欺的な電話は止めることができる。
NTT東日本でも西日本でも、「勧誘停止登録」というものがある。これに登録するだけで、委託業者や代理店に通知が行われ、営業などの電話は原則禁止ということになるのだ。
ただ、NTTの担当者曰く、
「それでも代理店ではない業者などや他社の電話勧誘は止めることができません」
この対応から、NTT自体がこうした営業は止める気がないのだろうと思うのだ。
例えば、そもそもこうした営業電話をNTTが止めたければ、契約時の初期状態が勧誘停止であればいいのだ。そうすれば、勧誘などを承諾したユーザーにだけ、営業の電話がかかってくることになる。
また業者をよく監督するのであれば、最近契約内容が変わった個人や法人にどのような業者からどのような営業行為を受けて契約が変更になったのかNTTが調べればいいのだ。
そこで、もしも、欺罔行為や動機の錯誤と言えるような営業方法などがあれば、厳しく対応をすればいい。ところが、こうしたことがほとんど行われていない。
結果、NTTは業務効率という名の下、ある種、何でもありな代理店や委託業者に営業の電話を行わせ、責任逃れをしているとも言える。
通信インフラの担い手として、NTTの責任は重大 だ。
編集後記
年末年始は実家で過ごすという方も多いと思います。
こうした社会信用力の高い企業名を使って、権威的な営業を行う手法は、多くの場合、「信用することが美」である年代の高齢者が狙われます。
以前にマンションやアパート全体が工事をするように見せかけてチラシを投函する営業方法を取り上げた後、不要なオプションや工事費用などを請求されていた高齢夫婦がいたことも確認しています。
● 探偵が突き止めた、時折ポストに入れられている「NTT」チラシの正体
これも、帰省した家族が、私の記事を読んでいて、念のために確認したら発覚しました。
私はその報告を受けた時、もう1つ気をつけることがあるとお話しさせてもらいました。それは、騙されたという出来事があった後、高齢者の方が自信を失って、気持ちがとてもネガティブになってしまうということです。ですから、よく心のケアをして、よく連絡を取るようにしてあげてくださいと話しました。
詐欺は他にも多くありますが、詐欺師を観察していると、持てる者から取ればいいという感覚が強く、騙される方が悪いとか、ゲーム感覚であったりします。
高齢者の場合、リタイアのために貯めた資産は、ある意味で生命に近いところがあります。これを奪うのは、ある意味生命を奪うのと変わりはありません。
大手企業や信頼性の高い企業、公の事業とも言えるインフラを担う企業は、事業責任は重大です。ですから、NTTにしても、勧誘営業を登録しなければ止められないのではなく(推奨するのではなく)、そもそも禁止にしてもらいたいと思います。
また、こうした営業行為も特殊詐欺なども多くは電話が利用されますから、効果が高い通話録音ができる電話機を普及させる対策を関連する行政機関には進めてもらいたいと思います。
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