企業組織を統括する経営者は、常に健康維持に気を配らなくてはいけません。身体の健康はもちろんですが、精神面での健康は「企業の伸び」に大きく影響を与えるようです。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、ユニ・チャーム創業者・高原慶一郎さんが語った、経営者にとって重要な「4つのスタンス」と、ケアすべき「4つの病」を紹介しています。
人間がかかる4つの病
ユニ・チャームを創業し、日本を代表する日用品メーカーに育てた高原慶一郎氏。いまから約15年前に『致知』にご登場いただいた際、大変興味深いお話をしてくださいました。
「経営者に求められる4つのスタンス」、そして、「人間がかかる4つの病」とは?
社内の信頼感を高めるには、とにかく一人ひとりの社員と報告、連絡、相談、つまり「報・連・相」でコミュニケーションを取り続けることです。基本中の基本ですが、こういったことを愚直に実行していくことが一番じゃないかと思いますね。
結局どんな大きな企業ももともとは中小企業、もっと言えばスタートは一人なんですよ。人もいない、物もない、カネもないという状況から始まります。
そこから大きくなる企業もあれば、中小零細のまま終わる企業もある。その違いは何かと私なりに考えてみると、やはり経営者の器、資質に拠るところが大きいと思います。
よく言いますでしょう、企業はトップ以上に大きくならないと。やはり自分を中心にした小成に甘んじる経営者は伸びない、ということは言えると思います。
それを防ぐためには、まず経営は一人ではできないと自覚して、人、商品、資金という経営資源の構築力に優れた人材をどんどん起用する。若い人も年配の人も織り交ぜながら、二人三脚経営、あるいは三人寄れば文殊の知恵経営が望ましいと思います。
いくら組織を整えても、やはり経営者自身が高い志を持ち続けていないと難しい。これは私の人生観にも繋がるものですが、トップが
「一生勉強、一生危機感、一生青春、一生情熱」
という4つのスタンスを身につけているか。そういう生き方を貫いて、示していくことが大切です。
ただ人間は放っておくと心が病気になるんです。症状には4つあって、一つ目は「自惚れ」、二つ目に「驕り」、三つ目に「マンネリ」、そしてベースにあるのは「甘え」ではないかと思います。
失敗している経営者は必ずこの心の生活習慣病にかかっていますから、絶えず自制していかなければならないということです。
(『致知』2005年8月号より)
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