『親分はイエス様』のモデルが、裏社会と手を切り牧師になった訳

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人間誰しも大なり小なり問題を抱えているものです。そして、それを誰にも相談できずに胸にしまっていれば、どんどん追い詰められてしまうばかりかもしれません。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、任侠の世界から牧師に転身した鈴木啓之氏の「平成駆け込み寺」の活動を紹介しつつ、出会いの大切さについて説いてます。

ヤクザから牧師へと私を導いたもの

穏やかな笑みを絶やさず、人生のやり直しを願う人々のために尽力する牧師・鈴木啓之氏。

驚くべきことに、その前身はヤクザであったといいます。様々な反社会的行為に手を染め、命の危機に瀕するまでの奈落を彷徨った鈴木氏は、いかにして劇的な回心を遂げたのか。その波乱に満ちた道のりを振り返っていただきました。


――やり直しの支援というのは、どのようになさっているのですか?

本気でやり直したいと願う人に、そのきっかけを提供することをテーマに活動しています。

私が回心を果たした後にこの千葉県で開拓させていただいたシロアムキリスト教会で、平成21年に「人生やり直し道場」というNPOを立ち上げて、借金や薬物、法的な行き詰まりや家庭内の揉め事など、様々な問題を抱えた人の相談に、専門家の方々の協力も仰ぎながら応じています。

26年にはある経営者の方から熱心なご依頼をいただいて、北海道のすすきのに「平成駆け込み寺」を立ち上げて同様の活動を行っています。

――なぜ、こうした活動をなさっているのですか?

過ちを犯して行き場を失った人が、門を叩ける場所の必要性を身を以て痛感しているからです。

平成11年に池袋で起きた通り魔殺人事件の犯人に、私は事件の数年前にアメリカで会っているんです。現地で知り合いの牧師のケアを受けていた彼に、「日本に帰ったら必ず来いよ」と声を掛けておいたんですが、彼が帰国した時に私は不在で連絡を受けられなかった。もしあの時彼に会うことができていたら、状況は変わっていたかもしれないと思うと、残念でなりません。

ある20代の子は、死に場所を求めて旅に出て、たまたますすきのの「平成駆け込み寺」を知って訪ねてきました。2時間くらい話をしたら突然泣き出して鞄から包丁を出し、「この包丁で死ぬつもりでした」と。一つ間違っていたら、何らかの事件を起こしていたかもしれません。

私はそういう体験を通じて、出会うことの大切さ、出会いの中に隠されている何かに気づくことの重要性を強く実感しているんです。

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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