希望なき都市「東京」を捨てよ。日本経済をイチから救う真の方法

 

とにかく、地方がダイレクトにグローバルな社会に直結する、そうして高齢単身世帯ばかりで沈んでいく東京を横目に、改めて経済のクオリティを上げていく牽引車になるべきなのです。

その意味で、今回の大学入試をめぐる騒動で、地方イコール守旧派という立ち回りに至ったのは全くの誤りと思います。東京がやってきたマークシート入試は、それこそ硬直化したベルトコンベヤー生産の非人間的なカルチャーの産物でした。

そうでなくて、地方こそが、使える英語、自由な発想法で若い人を育てて、ダイレクトに世界とつながって行くべきなのです。この点に関しては、私の落胆は深く重いものがあります。

その意味で「地方創生」という言葉はもう賞味期限が過ぎたのではないでしょうか。この言葉の意味は「頑張ろう日本」などと同じで、「地方が大変だということを分かっている」という記号に過ぎません。地方を変えて、その中にある可能性を引き出し、それをグローバルな世界に結びつけて行く作業は、もっと別の言葉によって主導されるべきと思います。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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