注文をオウム返し。人気コンサルが飲食店を激変させた復唱法とは

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「オーダーミスが多い」といった忙しい飲食店にありがちな問題ですが、これを放置しておくと店内の他の業務にも悪影響を及ぼしてしまう可能性が高いようです。今回の無料メルマガ『飲食店経営塾』の著者で飲食店コンサルタントの中西敏弘さんは、ある「メニューの復唱方法」を実践することで、オーダーミスの改善と料理提供時間の短縮が同時に可能になると記しています。

たかが「復唱」と思うな!「復唱」を徹底するだけでも、売上は上がる!

店長 「オーダーミスが頻繁に起こります」

僕 「なるほど。ちなみに、その原因は何だと思う?」

店長 「うむ~。たぶん、復唱を確実にやっていないことかな?と思うんですが…」

僕 「確かに、復唱を確実に行わないと、お客様の注文を間違えて聞いてしまう可能性は増えてしまうよね?ところで、復唱って、どういう風にやっているの?」

店長 「えっ?」

僕 「復唱っていっても2種類あるんだよね。一つは、すべてのオーダーを聞き終えてから、それまでに伺ったオーダーを全て確認する方法。『では、ご注文繰り返します。生ビールが4つとお刺身の盛り合わせが1つ、と…』とすべての注文を最後に確認する復唱の方法。これだと、お客様が誰も聞いていない事が多いから、スタッフもやりたがらないし、やっても意味ないじゃんと思ってしまう。だから、復唱を辞めてしまうってことが多い。

で、もう一つの方法は、“オウム返し”による復唱する方法。お客様に『生ビール』って言われたら、『生ビールですね!』とお客様が注文するたびに、オウム返しで行う復唱。この復唱方法だと、仮にお客様に、5~6個一気に注文されても、『ちょっと待ってくださいね。まずは、生ビールが4つとお刺身の盛り合わせ。それと、次は…』とお客様のペースで注文するのを“こちら側”でコントロールすることができ、また、確実にオーダーを聞き取ることができる。このやり方をアルバイトに伝えることができれば、オーダーミスが確実に減るはずなんだよね。もう一度、この復唱方法をロープレで徹底してやってみてはどうかな?」

オーダーミスはあってはならないことではありますが、人間がやることなので1日1回ぐらいは起こるかもしれません。でも、この確率を減らすことがすごく大切です。というのは、1回ぐらいのミスなら、それほどオペレーションを乱すことにはつながりませんが、もし、オーダーミスが頻発するようなら、その対処に結構な時間がかかります。

  • どこのテーブルのオーダーなのか、思いつく限り伝票を見直す
  • もし、料理が冷めてしまったら再度作り直す
  • 本当に頼まれたお客様のもとに、商品を持っていく

一つのオーダーミスでこれだけの行動が必要で、これが何度も繰り返し行わるとすると、本来やらなければならない、”お客様への対応”が絶対的に疎かになります。

10年ぐらい前の僕のご支援先での話ですが、業態は焼き鳥店。当時は、毎月1週間アンケートを実施し、また、アンケートを実施するだけでなく、アンケートを数値化するということを毎月実施していました。ある時、ある店舗のデータを精査すると、「料理の提供時間」の評価が3.4点(満点が5点)でした。そして、もう一つ評価が低かったのが「お客様へのお伺い頻度」(テーブルにどれぐらいスタッフが訪れているか?)の点数も3.4点でした。他の評価(商品の質、笑顔など)は、それほど低くなかったのですが、この2項目が低かったのです。

そこで、「料理の提供時間」の改善に取り掛かることにしました。まず、「提供時間が遅くなっている」と考えられ原因をできるだけたくさん出したのですが、その中に「復唱をやっていない」という原因がでました。他には、キッチンとホールの連携が悪い、注文が焼き鳥に集中する、という原因もあったのですが、すぐにできる「復唱」をとにかく徹底させたのです。先述したように、「オウム返し」の復唱です。

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