自転車の練習を思い出せ。「本気の失敗」でしか人が成長しない訳

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誰しも一つは抱えている、苦手、不得意なこと。「なんとかして克服したい」と思い悩んでいる方も多いのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では現役弁護士の谷原誠さんが、「本気の失敗を繰り返して乗り越える」ことの大切さについて、自転車の練習を例に取りわかりやすく解説してします。

本気の失敗とは?

こんにちは。弁護士の谷原誠です。

多くの方は、自転車に乗ることができると思います。しかも、前後左右を注意しながらも景色を見たりして、無意識に自転車を操縦することができるでしょう。しかし、生まれて初めて補助車輪なしの自転車に乗った時は、どうだったでしょうか。何度も転んだ人もいるでしょう。後ろを親に押さえてもらって練習した人もいるでしょう。

とにかく、怖かったと思います。私も、とても怖かったです。何度転んで膝などをすりむいたかわかりません。とても自転車に乗れるようになれるとは思いませんでした。自転車に乗れる上級生達を尊敬していました。

しかし、何度も何度も転んで、少し自転車で走れるようになり、それが、だんだんと距離が伸びていきました。そして、最終的には、子供時代は、両手を離して乗ったり、などの悪さもしました。

私たちは、「怖くてとても無理だ」と思っていたことを乗り越え、なんなくできるようになっています。私は、人前でスピーチをすることも同じだと思っています。多くの人は、多くの人の前でスピーチをすることを苦手としています。怖くて冷や汗が出る人もいるでしょう。頭が真っ白になって、何を話していいか、わからなくなってしまう人もいるでしょう。

もちろん、私もそうでした。スピーチの本では、台本は書いてはダメだ、内側からほとばしり出る言葉で話すのだ、と書いてありました。そんなの無理です。そこで、私は、自分が話すことを一言一句書いて、それを手元に置いて話すことにしました。内容を忘れてしまったら、すぐ原稿に戻って、読むためです。それは、私にとって、転ばないための自転車の補助輪でした。

しかし、年間何十回も人前で話す機会をいただき、それを繰り返すうちに、原稿が不要になりました。その場の受講者の反応を見て、話を脱線させたり、その場で思いついたことを話せるようになりました。その感覚は、まるで自転車の補助輪がなくなって、自分のバランス感覚で自転車をこいでいるようです。

ただし、そうなるためには、自転車で何度も転んだように、恥ずかしい思いをしたり、苦しんだり、話が受けず辛い思いをしたり、など、失敗を繰り返すことも必要です。

今回は、スピーチの話ですが、どんなことでも同じだと思います。

自分が苦手と思っていること、怖いと思っていることを克服するには、痛みを繰り返し、それを乗り越える必要があります。確かに大変ですが、「大変」を乗り越えると、「大きく変わります」。そこから逃げて、一生自転車に乗らないようにするか、痛みに挑み、自転車を自由自在に乗り回せるようにするか、は、ひとえに私たちの本気にかかっています。

本気の失敗には価値がある。

(漫画『宇宙兄弟』 南波六太)

今日は、ここまで。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 谷原誠 【発行周期】 不定期

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