あのラーメン店が、週休3日で家族経営でもないのに成功する理由

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ブラック企業などの問題が大きくクローズアップされるようになったこともあり、ようやく働き方改革に本腰を入れ始めた日本。ダラダラ働くことよりも労働の質を上げるには、まず「休日をきちんと取得する」ことが得策と言えるのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『毎朝1分! 天才のヒント』では著者の倉橋竜哉さんが、競争が激しいラーメン業界で、敢えて定休日を週3に増やしたという人気店を訪れ実感したことを記しています。

働き方を変える

「今週から、週休3日になりました」と言っていたのは、ラーメン屋さんのオーナーでして、昨日の続きになりますが、長野県の安曇野にあるラーメン屋さんに行ってきました。自宅のある神奈川からクルマで片道3時間ちょっとの直行直帰であります。

なんでわざわざ一杯のラーメンを食べるために半日かけて遠征したのかというと、ネットで見た「美味しい」というお店の評判もさることながら、「お店が週休3日になる」という話を聞いたのが、私を動かした一番の理由でした。

働き方改革という言葉をよく聞くようになりまして、「残業や休日出勤を減らしましょう」「有給をきちんと消化しましょう」という掛け声があちこちでされるようになりまして、「とにかく長時間、働くことが正しい」という考え方から、「働くことの質が大切」という価値観に、世の中がシフトしつつあります。

日付が変わるまで残業するのが当たり前だった職場が、早く帰れるようになったり、有給を取らないとむしろ怒られるようになったり、ノー残業デー、プレミアムフライデーなんて日もできてきたり、24時間営業をやめるお店が増えたり…。そんな世の中の流れを、3歩ぐらい先取りしているお店がありまして、それが私が行ってきた「支那そば・ゑびすや」でした。

支那そば・ゑびすや

そもそも、週休2日だったお店をなんと週休3日(!)にされたとのこと。日・月曜日がお休みだったのを、あらたに木曜日も休みにされたそうです。義理の母親からお店を継いだ3代目のオーナーの久保田優子さんいわく、週休3日にするのは、相当悩んだとのこと。本当に休んじゃっていいのだろうか…と。

2代目の義母は、忙しさのあまりお店で倒れてそのまま帰らぬ人になってしまったとのこと。そんな「働くこと」が当たり前の背中を見つつ、嫁入りした先のお店に立つようになり20年。日々の忙しさの中で、ご本人いわく「もっと丁寧に暮らしたい。ゆっくりと各駅停車で生きていきたい」と考えるようになったそうです。

また、ラーメン店を開くということは、スープを煮出したり、麺を茹でる鍋をずっと沸かし続けたり、光熱の面から見ると環境負荷のかかることです。必要以上の利益を求めるために、店を開くのは申し訳ない、という想いもあったとのこと。

どんなことでもそうですが「変える」ということは、大きなエネルギーが必要なものです。数十年続けてきたことならなおさらのことでしょう。幸いお店のスタッフからも理解が得られ、今月から週休3日に踏み出されました。

…という話を聞きまして、家族だけでやっているならまだしも、スタッフを雇い入れて、週休3日にできるお店って、一体どんなラーメン店なんだろう?と、いても立ってもいられなくなり、片道3時間で長野に向かったというわけです。

どんなラーメンが出てきたのか、昨日ここで書いたとおりですが、あえて一言でいうならば「丁寧な一杯」でした。自家製の麺、鰹だしの黄金色のスープ、新鮮なトッピング、2種類のチャーシュー…。「もっと丁寧に暮らしたい」という想いが、すでにそこに宿っている感がありました。

「働く(はたらく)」ということに対して、価値観がダイナミックに変わりつつある昨今ですが、その最先端を走っている職場の一つと言えるのではないでしょうか。これをお読みのみなさんの周りでは、どんな「働き方改革」が進行していますか?

★まず私からあなたにこの言葉をお届けします

「どんな働き方がありますか?」

image by: Shutterstock.com

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