【カンブリア宮殿】成長を続ける奇跡の経営術「キッコーマン」

キッコーマン★①
 

キッコーマンが元気だ。2019年3月期の決算では、純利益が前期比で9%増え、過去最高の259億円、売上高は同5.3%増の4535億円で、最高益をたたき出した。キッコーマンといえばしょうゆのイメージだが、実はそうではない。「テレビ東京『カンブリア宮殿』(mine)」は、放送内容を読むだけで分かるようにテキスト化して配信。縮小市場でも成長を続ける奇跡の経営術、知られざるキッコーマンの秘密に迫る。

大ブレーク「食べる豆乳」~創業100年、攻める老舗企業

東京・港区。その日、表参道に黄緑色のビルが出現した。その外装は豆乳の定番商品、パック豆乳にそっくり。ビルの前には大行列ができていた。行われていたのは無料で豆乳を配る販促イベント。豆乳をパックのまま凍らせる新しい食べ方、「豆乳アイス」の提案だ。バニラアイス、マカダミアナッツ、チョコミント……。冷凍庫で凍らせるだけで豆乳をアイス仕様で楽しめる。

爆発的に増やした豆乳のラインナップは今や30種類以上。新たな豆乳ファンを生み出した。斬新な手法で豆乳をブレークさせたのがキッコーマンだ。

この豆乳は元々、食品メーカー「紀文」のグループが手がけていた。それを2006年にキッコーマンが傘下に収め、徹底的にテコ入れすることで、年商300億円を超える事業に成長させた。

キッコーマンの知られざる商品は豆乳だけではない。デルモンテも日本ではキッコーマンが手がけるブランドだ。そのトマトジュースもやはり斬新さで売れている。「リコピンリッチ」にはトマトに含まれる栄養素リコピンが通常の1.5倍も入っている。「リコピンリッチ」をふんだんに使った手軽にできる栄養たっぷりの料理も人気となっている。

東京・港区のキッコーマン東京本社。開発チームは研究開発の末、業界に先駆けて、リコピンの増量に成功した。

「900グラムのボトルにトマト28個分を使っています。逆さにしても出てこないぐらい濃厚で、飲み物として成立させるのが難しかった。ある意味で革命的な、開発に苦労した商品です」(プロダクト・マネジャー・松野裕介)

そして「リコピンリッチ」を広めるために力を入れてきたのが、さまざまなトマトジュースレシピの提案。「リコ活」なんて言葉も考えた。売り上げは前年の1.4倍に急上昇した。

キッコーマン★②

 

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