貧しいデフレ生活を脱却「幸せになるビジネスモデル」を考える

shutterstock_1284354490
 

食品でも衣料品を含む生活用品でも安くて良いものがあふれる日本。それは良いことのように思われていましたが、他の先進諸国に比べると、賃金も上がらず貧しい国にしてしまいました。メルマガ『j-fashion journal』の著者で、ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんは、デフレスパイラルに歯止めをかけるためには、生産者も消費者も意識を変え、国内生産で幸せになるビジネスモデルの構築が必要だと訴えます。

1.モノ不足時代の社会貢献

一昔前の経営者は、安くて良い商品を提供することが社会貢献につながると信じていた。そして、大衆向けの商品を作るメーカー、大衆向けの商品を流通する量販店は、双方共に成長し、多くの経営者の成功体験となっている。

量販店が百貨店を凌駕し、廉価な大衆向け商品が高級品を凌駕した。こうして日本の製造業は、安くて品質の高い大衆商品に集中していった。しかし、流通の主導権を握っていたのは、商社、問屋、大手流通企業だった。彼らは、より安い商品を入手するために、中国生産に切り換えた。そして、中国に合弁工場を設立し、日本メーカーの技術者を派遣し、技術指導を行った。

やがて、中国メーカーは日本側の期待に応え、技術と品質を向上させた。そして、大々的に国内生産から中国生産への移転が行われた。結果的に、国内製造業は淘汰された。デフレスパイラルが始まり、日本のGDPは減少し、日本人は貧しくなった。

社会貢献と信じて行った行動が、日本を貧しくしてしまった。まず、この間違いを正さなければならない。

2.消費地の近くで必要な分だけ生産する

最近の若者は、消費に罪悪感を感じるという。モノを買うと、不要になったら捨てなければならない。ゴミを出すことは、資源の無駄遣いであり、環境破壊につながる。ゴミにするなら、メルカリで売って、誰かに使ってもらった方がいい。あるいは、レンタルで借りれば自分で捨てることはない。

お金を第一と考える人達は、モノを所有しても儲からないし、収納スペースをふさぐだけと考える。モノを所有するより、投資した方がいい。投資につながらない消費製品を購入することは無駄である。

お金や出世に興味のない人もいる。都会から地方に移住し、自給自足を目指す。地域社会に貢献する仕事で現金収入を得て、食料はできるだけ自作する。自然の中で子育てを行い、地域コミュニティにも積極的に参加し、充実した生活を目指す。

こうした新しい価値観に対応したビジネスは、一極集中ではなく分散型になる。一つの工場で大量生産するのではなく、消費地に近い小さな工場や工房、個人のアトリエで生産する。それをダイレクトに顧客に販売することで、中間流通経費、物流費等を削減することが可能になる。また、生産者と消費者のコミュニティも新たな価値を生み出すだろう。

print

  • 貧しいデフレ生活を脱却「幸せになるビジネスモデル」を考える
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け