やぶ蛇の統一教会。ミヤネ屋事件「逆ギレ裁判」で判明した“分派”売春管理の所業

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先日掲載の「自ら首を締めた『統一教会』というカルト教団。名誉毀損裁判で有田芳生氏によって暴かれる“不都合な真実”」でお伝えした通り、メルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』を発行するジャーナリストの有田氏を訴えた裁判で、教団にとって「表沙汰にしたくない過去」が次々と露呈することとなってしまった旧統一教会。同じような事態は別の訴訟でも起きていたようです。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では、かつて旧統一教会の信者だったジャーナリストの多田文明さんが、旧統一教会が読売テレビと紀藤正樹弁護士を相手に起こした裁判の公判で明らかになった、教団の「分派」による悪辣極まりない所業を紹介。メディアでは報じられなかった被害の実態を明らかにしています。

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旧統一教会に訴えられた「ミヤネ屋事件」の裁判で明らかになった“分派による悲劇”

2022年に入り、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)は、教団への批判的な報道をした、テレビ・ラジオや弁護士、ジャーナリストらへの名誉棄損のよる損害賠償を求める訴訟を起こしています。

今回取り上げるのは、同年9月29日に旧統一教会が「7月20日にテレビ番組『ミヤネ屋』で放送された内容に対して、読売テレビと紀藤正樹弁護士に対して、2,200万円の請求と謝罪広告を求めた裁判です。

旧統一教会は「ミヤネ屋」(読売テレビ)での「信者に対して売春させていた事件まである」とした紀藤弁護士の発言が、旧統一教会を誹謗中傷する発言だとして、名誉棄損の訴えを起こしています。

4月17日に行われた第2回の裁判傍聴の内容です。

この裁判では「4派とか5派とか6派とかそのぐらいの分かれ方をしていて」としたうえで、分派のなかで一番ひどい事例として「信者に対して売春させていた事件まである」という紀藤弁護士の発言に対して旧統一教会側は訴えてきています。

しかし被告側の弁護団は「あくまでも旧統一教会から分かれ出た、一番ひどい分派団体の事例について述べたもので、旧統一教会自体の名誉を棄損するものではない」としています。しかし教団側は「一括りにして発言しているのは明らか」などという主張をして、意見は対立しています。

発言の真実性が明らかになり、旧統一教会の教義の恐ろしさを露呈することになった形

被告側の弁護士は、発言の真実性が大事だといいます。

この事例は「紀藤弁護士らのもとに寄せられた、ある旦那さんからの婚姻無効に関する相談から発覚したものである」と、裁判のなかで明かされました。

しかも「元妻が(分派の)代表からソープランドで売春を指示されて、その売り上げ管理票まであった」としています。テレビでは報じられなかった、分派団体における被害実態が、法廷の場で明らかにされた瞬間でした。

それにしても、旧統一教会は分派した団体を敵視して(サタン側とみて)何らの関係もないというスタンスを取っているはずです。

分派団体が紀藤弁護士を訴えてくるのであればわかりますが、今回は、まったく関係のないとしているはずの旧統一教会が、分派団体のことを話した紀藤弁護士を訴えてくるという、よくわからない構図になっています。

それどころか今回、文鮮明教祖の解き明かしたとされる旧統一教会の教義は、神に近い絶対的な責任者の意向によって、いかようにでも解釈されて、売春のような行為もさせてお金を集めることもある危険性をはらんだ、カルト思想であることを世に示してしまったといえます。

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