新型コロナ感染拡大でコミュニケーション不足の中感じること

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新型コロナウイルスの感染拡大により、直接のコミュニケーションが難しくなり、動画配信やテレビ会議などのツールを利用したコミュニケーションが活発に行われています。メルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』著者の引地達也さんも、先日、ピアノコーラスグループPsalm(サーム)とのコラボでツイキャスを使ったライブ配信を実施し、その体験について綴っています。引地さんは、「考える時間」を意識するダイアローグ(対話)というコミュニケーションの見直しに希望を見い出しています。

危機の中から小さな対話を始める─新しい言葉を探して

新型コロナウイルスの影響は世界中を不安にさせ、各国では国民に行動制限を課す措置が講じられ、すべての人が閉塞した環境と心境の中にいる。物理的な接触が制限された中で、世界は連帯し協力しなければいけないと前回コラムで、ユヴァル・ノア・ハラリ氏の英誌タイムへの寄稿を紹介させていただいたが、その言論はやはり世界を駆けまわる程の影響を与えているようだ。

そんな大きな話につなげたい小さな一歩をどうしようかと考え、先日から始めたのが盟友であるピアノコーラスグループ、サームとのツイキャスを使ったオンラインライブである。タイトルは「ケアステージon Web-Dialogue and Song」とした。30分の中でピアノ演奏と、今だから考えるべきお話、そして歌、という構成である。小さなダイアローグからつながる先に希望があるとの思いを共有できればと考えている。

第1回放送のテーマは「クライシスの中のダイアローグ」。まずはダイアローグの対義語がモノローグであり、それは「独白」であると確認した上で、ダイアローグは相手を「強く」意識することが要諦であり、コミュニケーションの中で異質な存在であることを示した。つまり「対話」である。

相手に対して正面から向き合い、真摯に相対する印象そのままである対話は、その態度や心の在り様をも試される行為だ。だから、「対話」に人は真剣になれるし、相手の声に耳を傾けられるし、発する言葉も吟味される。このダイアローグが成しえる真剣さをクライシスの中にあって意識しなければいけない、という話である。さらに、クライシスとは危機と訳されるが、これは危険ではなく、危険と安全の狭間の機。「危ないかもしれない」が、今をどのように乗り越えるかで次は安全に、そしてより良い方向に向かう分岐点となる。

現在、私たちは危機にあるが、これをどうとらえるかで行動が変わってくる。隔離することでウイルスを抑え込む方針に協力しながら、混乱することなく、萎縮することなく、できる限りのコミュニケーションをつないでいくことを考えたいと思う。このコミュニケーション行為を行うにあたってはダイアローグが意識されなければならない。

「誰が」「何の目的で」「どんな思いで」など、ダイアローグでは通常成しえている意識を働かせることを疎かにすると、不安が先走りデマに流され、パニックになってしまうこともある。一部で都合の悪い情報を「偽物」と切って捨ててしまったり、偽情報で不当な利益を得たりするケースが、この危機の中でも目立ってきている。ペスト時代から遠く来た現代でもその構造は同じだ。

「受け入れる」「話す」「考える」。このコミュニケーションやダイアローグで繰り返される一連の行為は、いつの世も一緒なのだが、ソーシャルメディアの全盛時代にあってそのスピード感はめまぐるしく、「考える」時間は最短になっているのが現状で、デマやフェイクスニュースが「拡散」することにつながっている。

メディア機能の発達は人の思考する時間、考える余裕を奪い去り、瞬間的な反応でやりとりするコミュニケーション形態へと変容した。新型コロナウイルスで世界が分断されようとする今、「考える」時間を意識したコミュニケーションがどうあるべきかも考えたいと思う。ダイアローグの見直しである。

それが、「ケアステージ」の話の合間に披露される歌である。ピアノや歌の調べに身を委ねながら、考えを深く巡らせ、次の話に入っていける隙間の設定だ。これは歌とコントなどで構成される昭和時代のバラエティ番組のように、ほっとしたスピード感を大事にしながら進めたいと考えている。次回の生放送は4月24日夜。 

image by: shutterstock

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特別支援教育が必要な方への学びの場である「法定外シャローム大学」や就労移行支援事業所を舞台にしながら、社会にケアの概念を広めるメディアの再定義を目指す思いで、世の中をやさしい視点で描きます。誰もが気持よくなれるやさしいジャーナリスムを模索します。

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