宣言を遅らせろ。世界の30万人の命を奪った習近平「1本の電話」

kitano20200519
 

新型コロナウイルスを巡っては、中国による隠蔽の疑いや初期対応の遅れ等に批判が集まっていますが、またしても新たな疑惑が明るみになりました。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、ドイツメディアが報じた、WHOのテドロス事務局長に習近平国家主席が入れたという1本の電話の内容を紹介。その報道が真実であるならば、世界のかなりの国が「コロナ中国責任論」を唱えるトランプ大統領に追随する可能性もあるとしています。

習近平、電話1本で世界を滅ぼす(韓国紙)

新型コロナウイルス、16日の感染者数は、前日比で59人増えました。一方で、この日の退院者数は、262人。入院患者の数が、劇的に減少している。うれしいことです。

一方、世界の感染者数は470万人を超えました。死者は、31万5,000人。経済は、1929年からはじまった世界恐慌並のひどさ。人々は、自問します。「嗚呼、何でこんなことになったのだ…」と。

答えはでません。

地震や台風の災害に慣れている日本人は、思います。「誰もわるくない。新型コロナ禍は、ただ起こったのだ」と。しかし、この答えで納得しない人たちも、たくさんいる。たとえば韓国の中央日報は、「習近平がWHOにした電話1本が、世界を滅ぼした」という話を掲載しています。どういうことでしょうか?

世界を滅ぼした習近平の電話とは?

世界を滅ぼした習近平主席の電話1本…WHOに「パンデミック宣言を遅らせてほしい」

中央日報5/11(月)8:15配信

 

米国と中国の間で新型コロナウイルス感染症責任論をめぐる攻防が続く中、中国の習近平国家主席が今年1月、世界保健機関(WHO)に新型コロナのパンデミック(大流行)宣言を遅らせてほしいと自ら要求したという疑惑がドイツメディアを通じて提起された。

ドイツといえば、「世界有数の親中国家」として知られています。一体何が報じられているのでしょうか?

10日の英デイリーメールなどが独シュピーゲルを引用して報じた内容によると、シュピーゲル紙はドイツ連邦情報局(BND)の諜報文書を入手したという。この文書によると、習主席は1月21日、WHOのテドロス事務局長に電話をかけ、「コロナウイルスの人の間の伝染関連情報を統制し、パンデミックのような世界レベルの警告を延期してほしい」と要請したということだ。
(同上)

これが、いわゆる「世界を滅ぼした電話」です。結果、どうなったのでしょうか?

WHOが新型コロナパンデミックを宣言したのは3月11日であり、昨年12月31日に中国湖北省武漢市で「原因不明の肺炎」が発生したと明らかにしてから約70日後だ。3月11日にはすでに世界110カ国で約12万人の感染者が出ている状況だった。
(同上)

皆さん、3月11日のこと思い出せますか?私はニュースを見て、「WHO、遅すぎ!」といい、となりにいた妻と「苦笑」したのを覚えています。

RPEでは2月5日から「中国全土からの入国を制限してくれ!」と主張していました。そして、読者の皆さんに、「官邸にメールしてください」と何度もお願いしました。その後の日本を見ると、2月27日に総理の休校要請中国、韓国からの入国制限は3月9日から始まりました。私たちは、「遅すぎる!」と憤っていました。ところが、WHOのパンデミック宣言は、日本政府よりもさらに遅かった。過去と比べても、遅すぎたそうです。

2009年の新型インフルエンザの場合、74カ国で3万人の感染者が発生した時点でパンデミックを宣言したのと比較すると、今回の新型コロナのパンデミック宣言はかなり遅いという批判の声が多い。
(同上)

これは、習近平が、テドロスさんに電話して、「遅らせろ!」と要求したからなのですね。

BNDは文書を通じて「中国の隠蔽式情報政策で世界がコロナウイルスに対応できる時間を4-6週浪費した」と批判した。一方、親中派として知られるテドロス事務局長は1月28日、習近平主席に会って中国の対応を称賛した。テドロス事務局長はその後も「中国が武漢を封鎖したことで危機を避けることができた」などと中国を擁護する発言を繰り返した。
(同上)

危機、全然避けられてないですが…。それに、中国政府は春節の時、何百万の中国人が外国にでるのを止めなかった。これが、全世界に感染が広がった理由と考えられます。

こう考えると、トランプさんの「中国が全部悪い説」には、かなり説得力がありそうです。アメリカは賠償金を請求する意向を示しています。世界中のかなりの国が、アメリカに追随する可能性もあるでしょう。

image by: Tedros Adhanom Ghebreyesus - Home | Facebook

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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