加齢とともに体にはさまざまな変調が起こります。なかでも気になる変調のひとつに上げられるのが尿漏れ。メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』の著者、のぶ先生が、加齢にともなう尿漏れの原因を解説。東洋医学的な見立てと、自分でできる改善方法を教えてくれます。
尿漏れ対策
【疲れが原因】
40歳を過ぎると尿漏れする人が増えるみたいです。男性であれば前立腺肥大が原因であることが多く、女性であれば、更年期に差し掛かることで、こうした症状が始まることが多く、どちらも性ホルモンの分泌が落ちることで、こうした症状が始まると考えられます。東洋医学的には、性ホルモンの分泌低下は、体が疲れているのと同じ状態と考えます。
【疲れるとあげていられない】
男性らしさ、女性らしさをはっきり強調してくれる性ホルモンの分泌。男性は年頃になると、性ホルモンの分泌が低下するので、前立せん肥大による尿漏れは、徐々に始まります。女性の場合、生理の後や産後にも、性ホルモン分泌低下のような「体が疲れた状態」になりやすく、こんなタイミングでも、尿漏れ症状がたびたび起こることがあります。
男女に関係なく、寝不足や過労が続いて慢性疲労を起こしているときも、尿漏れ症状が起こりやすいです。尿漏れするのは、骨盤内にある臓器が疲労により下がりやすくなるから。気力や体力が消耗すると、骨盤内臓器を本来の位置に引っ張り上げておく元気がなくなるというわけですね。
【対策は下から支える】
骨盤内臓器が下がると、骨盤底筋群が硬く委縮してしまいます。わかりやすいのは、お尻の穴と生殖器の間にある「会陰部」を骨盤内に押し込むように押さえてみる。この「会陰部」が硬くなっていたり、簡単に持ち上がらないようなら、疲労が原因の骨盤内臓器下垂です。尿漏れしやすい人は、この「会陰部」を軽い力で持ち上げるように刺激するとよいです。
やり方は、中指を中心に3本指をそろえて、生殖器と肛門の間に指先を当てて、軽く軽く押し上げる。「会陰部」の前後を押さえたら、今度は指3本をそろえて「左右の座骨」の内側に並ぶように、「横」にして軽く軽く押し上げます。
骨盤下のトランポリンのように弾力のある「骨盤底筋群」を、指先で軽く軽く刺激し続けることで、骨盤内臓器の血流がよくなり、内臓下垂が軽くなると尿漏れ対策がかないます。
また、体の元気が落ちているのも原因ですから、疲労をためないように十分な睡眠時間と、体温がむやみに下がらないように、薄着にも注意して過ごしましょう。足腰の冷えを感じる人は、太ももの前側や内側を手のひらでさするようにして、血流を促すのも効果的です。
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