ボルトンが仕掛けた8つの爆弾
The Room Where It Happened(それが起きた部屋)と題されたボルトンの本では、トランプ氏の重要決断のうち大統領再選の策略と関係のないものを見つけるのは困難だったと振り返っており、弾劾の材料にまでなったウクライナ疑惑と似たような不正行為が、たった1年半の任期中でも外交政策全般にわたって繰り広げられてきたことを詳細に暴露しているようです。
残念ながら現時点ではこの暴露本を手にすることができていませんので、あくまでメディアが開示している内容に基づくことしか書くことができませんが、どうやらボルトンは、この本で概ね8つの爆弾をしかけたようです。
- 中国に2020年大統領選での勝利を支援するよう要請
- 習近平の任期制限撤廃を支持
- エルドアンなど独裁者に好意的な姿勢を示す
- 中国によるウイグル人強制収容所の導入を習近平に勧め、支持
- イヴァンカの個人メール利用から世間の関心をそらすため、カショギ氏暗殺でサウジアラビアを擁護
- ポンペオは北朝鮮を巡ってトランプを嘲る存在
- トランプはフィンランドがロシアの一部だと誤認していた
- ベネズエラ侵攻はCoolですばらしいと考えた
などなど、タイトルだけ見ても中身のものすごさが窺われるものですが、このうち習近平に2020年の選挙支持依頼をした話が出回るだけで米株は下げに転じる始末で、23日にこの本の内容がすべてつまびらかになった場合、どの位トランプが「被弾」することになるのかが注目されています。
トランプ自身は、ボルトンが法を犯したと散々、声高に言い始めていますし、ライトハイザーも事実無根だとトランプをかばう発言をしていますが、いまのところ出版を遮ることはできず、そのままオンタイムで発売されてしまいそうです。
ただ、過去にも何冊か出版されてベストセラーになったトランプ暴露本ですが、その後の支持率には影響を与えなかったこともまた事実で、本邦もそうですが、全く箸にも棒にもかからないようなダメな為政者でも一旦、最高権力者の座についてしまうとそう簡単には引き下ろされない現実があることも認識しておかなくてはなりません。
それでも、ウォール街はトランプのおかげでかなり潤った4年間を過ごしてきましたから、このままもう4年間大統領を継続してくれることを望んでいるようで、トランプ当選なら相場大暴落などと噂されていた4年前とは、支持する層もかなり変化しているようです。
果たして、この本の出版はどのような影響をもたらすことになるのでしょうか。個人投資家目線で見てもかなり気になる状況です。
image by: a katz / Shutterstock.com