UberEatsでは無理。世界的エンジニアが開発した飲食店を救う試み

nakajima20200623
 

以前掲載の「コロナから飲食店を救え。世界的エンジニアが始めた画期的な試み」でもお伝えしたとおり、コロナ禍に苦しむ飲食業界のため新しいウェブサービスの開発を進めていた、世界的エンジニアの中島聡さん。そんなサービスが6月24日、正式リリースとなりました。中島さんは今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』で、サービス開発に着手した理由やその意義を改めて記すとともに、自身の「無茶な提案」に賛同する国内大手企業が現れたことに対する思いを綴っています。

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プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

おもちかえり.com の正式リリース

4月からスタートしたレストラン向けのオープンソース・プロジェクトOwnPlateですが、おもちかえり.comというブランド名(ウェブサイトは omochikaeri.com)で正式リリースをすることになりました(6月24日)。

ちょうど良い機会なので、このプロジェクトのビジョンについてまとめてみたいと思います。

まず、前提として、新型コロナウィルス対策として世界各地で取られたロックダウン戦略が、小規模なレストランやバーのビジネスに致命的なまでのダメージを与えている、という事実があります。この影響は、ロックダウンの解除後もしばらく続き、「Business Insider」の記事によれば、独立系のレストランの85%は今年の終わりまでに店を閉めることになるそうです(「苦境に立つ独立系レストラン…さらなる支援がなければ、85%は2020年の終わりまでに店を閉める」)。

そんな中で、レストランの多くは、テイクアウトやデリバリーでなんとか売り上げを確保しようとしていますが、既存の業者のビジネスモデルは、基本的に売り上げの15~30%を手数料として徴収するモデルであるため、もともと食材に3割、人件費に3割を費やす薄利なレストラン業にとっては、法外な手数料なのです。

代表的なのがUberが経営するUber Eatsですが、彼らのビジネスモデルは、ITの力を利用して複数の業者(レストランと運転手)を一まとめにして消費者にサービスとして届けることにより、顧客との関係とお金の流れをUber Eats自身が握ることにより、レストランと運転手の両方をコモディティ化し、利益の大半を彼らが吸い上げるというものです。

本来ならばレストランはこんなサービスを使うべきではないのですが、Uber Eatsの持つ集客力を利用して、少しでも知名度を上げたい、なんとしてでも売り上げを上げたいレストランが藁をも掴む気持ちで使っているのです。

そう考えると、そこにオープンソース・非営利という形で切り込むことには、短期的にはレストランをサポートするという意味で、中長期的にはUber Eatsとは異なるレイヤーでのビジネスを作るという意味で、とても意義があると感じたのです。

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