なぜ三越伊勢丹は「オンライン接客」の取り組みを始めたのか?

 

中小企業でもオンライン接客はできるのか?

このような背景があって、百貨店に限らず、小売業でこのようなオンライン接客に乗り出す企業が、増えているのです。愛知県刈谷市にある引っ越し会社の引越一番では、引越しの見積もりをLINEでのやりとりでできるようにしています。これによって、お客様も営業の人に来てもらう時に、家にいなければならない、ということを避けられます。

また、やはり愛知県にある「ケイワークス」という会社では、キャンピングカーの販売に、オンライン接客を導入しているとのことです。手順はシンプルで、まずはLINEで友達登録をして、専用フォームで予約。予約確認からチャットに入って、オンラインで接客できるようにしているとのこと。

化粧品や衣服よりもさらに高額のキャンピングカーでも、このようにオンラインで説明をしたりすることをされているのです。ホームページによると、「自宅にいてもショールームに来ていただくのと、同じ体験をしてもらえます」とあります。

確かにお客様からすれば、遠くていきづらいとか、時間とお金がかかってしまう、という不便さを解消することもできます。今は、動画でもテレビ電話的にできるので、顔を見ることもできて安心しますよね。

売り逃がしを防ぎ、売り伸ばすためのDX

このように、リアルでやっていたことを、デジタル技術に置き換えることを、デジタルトランスフォーメーションと言います。デジタルへの移行は、接客を対面から移行するということだけではなく、ビジネスの場面では多くみられます。

リモートワークにソフトウエアを導入することや、それによって費用を削減できること、キャッシュレスもそうですし、印鑑文化をなくしていくことも、広い意味ではデジタルトランスフォーメーションですよね。この流れは大企業だけではなく、中小企業にも来るはずです。その時に考えたいのは、お客様の心持ちです。

お客様の利便性を上げていくのにはデジタルで、しかし、安心感や温かみといったことは、やはりデジタルよりリアル・対面の方が伝えられます。さじ加減やバランスが大事になってきますよね。

マーケティングの基本は、お客様を理解すること。そして、マーケティングの目的は、お客様を「動かす」こと。リアルでの販売にこだわっていたり、IT化の波に遅れをとったりしていると、大きな「売り逃がし=機会損失」になってしまいます。この機会に、売り方のDXで売り伸ばしていく企業も増えていくでしょう。

image by: Shutterstock.com

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