元国税がバラす、キャリア官僚「闇の早期退職制度」のムダと迷惑

 

キャリア官僚たちの迷惑な錬金術

しかもキャリア官僚には、「闇の早期退職制度」という、国民にとっては「無駄で迷惑」としか言えない制度があります。これは「同期の一人が事務次官にまで上り詰めたら、他の同期は皆やめる」という制度です。別に、法律でそう定まっているわけではありませんが、慣習上そうなっているのです。

つまり、キャリア官僚のうちで、定年まで勤められるのは、同期の一人だけで、あとは皆、言ってみれば捨て駒のようなものなのです。たった一人の事務次官を出すために、数十年競争させ勝者が決まったら、後はみなお払い箱ということなのです。彼らの官僚生活というのは、まるで精子のようなものなのです。

50歳代で、役所から放り出される彼らは、必然的に再就職しなければなりません。そのため各省庁は天下りのポストを確保するために、許認可の権利を振りかざして民間企業と癒着したりするのです。

キャリア官僚たちも、昨今では国民の目を少し気にするようになっています。露骨に民間への天下りをすれば国民から批判されるために、様々なカモフラージュをしているのです。

その一つが、民間企業ではなく、「業界団体」に就職するという手です。日本の各業界では業界団体というものが存在します。製薬会社の場合も、日本製薬工業協会などの業界団体があります。そういう業界団体に役員や理事として入るのです。現在の日本製薬工業協会の理事長は、厚生労働省のキャリア官僚です。こういう業界団体は、各地域に支部もあり、そこにもキャリア官僚たちの天下り席が用意されているのです。

この「キャリア官僚絶対主義制度」は廃止すべきです。難関の入省試験に受かった者が自動的に幹部になることを約束されるような前時代的な制度は、もう世の中の害にしかなっていないのです。

勉強しかできない世間知らずの若造だけじゃなく、外部からも優秀な人材をどんどん招き入れ、ちゃんとその人の業績や人となりを評価する人事制度を構築すべきなのです。

そういうことは民間企業では当然のように行われているのです。もし入社試験の成績が良かったものだけを自動的に幹部にするような民間企業があれば、到底、時代の波に対応しきれず、あっという間につぶれてしまいます。

そして官僚たちの関係企業や上場企業などへの天下りを全面的に禁止する、彼らには定年まで官庁で働かせ、定年後は出身省庁とはまったく関係のない企業で一から一生懸命働くようにさせる。そういうシステムにしなければ、これから日本はどんどん腐敗していくばかりです。

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