とかく人は、他人と自分を比較してしまいがちなもの。しかしそこから生じるのがネガティブな感情であるならば、建設的とは言えませんよね。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが紹介しているのは、全国ビルクリーニング技能競技会で優勝を果たしたある女性。坂本さんは、彼女の「考え方」の中に成長のヒントがあると説いています。
自分と比べる
最近、こんな本を読んだのでご紹介。
環境マイスターとして空港ターミナルビルの清掃に従事する新津春子氏は、17歳の時、中国残留孤児の父親とともに日本へ来日して以来、33年間にわたって清掃の仕事をやり続けている。
新津氏は、来日当初、日本語が話せず、とにかく生きていくために、言葉ではなく体を使う仕事を選んだ結果が、清掃という仕事だった。
見よう見まねで仕事を覚えながらも、清掃の仕事の社会的地位の低さ、給与の上がりにくさに、自立した生活ができないと感じた新津氏は、27歳で全国ビルクリーニング技能競技会出場。見事最年少で優勝を果たし、技術を武器に給与を上げていった。
現在は後進の指導や全国での講演会を行ない、清掃グッズの開発も手がけるなど、一清掃員としての枠組みを超えた活躍を続けている。
そんな新津氏が技術を身につける時にやっていることは、「人と比べることをしない」ということだった。他人ではなく、昨日の自分と比べて、「昨日できなかったことが今日はできた。じゃあ明日はどうしよう?」と考え、小さな目標を1つずつクリアしていくことで、気持ちにも余裕を持つことができ、技術が身についたと語っている。
※ 出典『Indeed特別編集 あの人の仕事論』(ウォーカームック)
自分の能力を人と比べることは簡単です。
「あの人はあんなことができるのに、私はできない」
「あの人はあんなに綺麗なのに、どうして私は綺麗じゃないの」
能力だけではなく、容姿や環境など、自分と比べて他人を見ると、時には羨むこともあります。ですが、それによって生まれるものなど何もありません。結局は「自分がどうするか」なのです。
他人と比べて、「私もできるようになろう」と発奮するならばそうした比較も大事ですが、そうではなくただネガティブになるだけなら、比較は何の意味も持ちません。昨日の自分と比べて、今日の自分は何ができるようになったかを追求しない限り、成長を図ることもできません。
比べるなら、自分。
そこに必ず成長のためのヒントがあります。
今日の質問です。
- 10年前のあなた自身と比べて、今のあなたは何ができるようになっていますか?
- 1ヶ月前のあなた自身と比べて、今のあなたは何ができるようになっていますか?
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