8月にズレ込む見通しだった「Go Toトラベル」の開始日を、7月22日にあわてて前倒したのも、グズグズしているとさらに感染が広がってタイミングを逸する恐れが出てきたからに違いない。予算を組んだら必ず実行するというのは役所の勝手な論理だ。不要になったら、やめればよい。
何度も言うが、こんなキャンペーンよりも、検査の徹底で「安心感」を社会全体にもたらすのが政府の仕事である。「安心」があれば、放っておいても、経済活動は活発になり、人々は旅行に癒しや楽しみを求めるだろう。
そう考えれば、国の費用負担で1日数十万人レベルの検査に乗り出したほうが、
財政面でも得策ではないか。「Go Toキャンペーン」の1兆6,794億円を投じたら、
1人3万円かかるとして、5,500万人分の検査費用はまかなえるのだ。
<参考>
*自然免疫
生体防御の最前線に位置し、侵入してきた病原体をいち早く感知し排除する仕組み。主に好中球やマクロファージ、樹状細胞といった食細胞が活躍している。
*細胞性免疫
ヘルパーT細胞が抗原を認識して産生したサイトカインによって、マクロファージ、細胞傷害性T細胞(CTL)などの細胞が活性化され、病原体に感染した細胞を攻撃・排除する。
*液性免疫
ヘルパーT細胞の産生するサイトカインにより、B細胞が刺激されると、大量の抗体を産生し、抗体は体液をめぐって全身に広がる。刺激されたB細胞の一部は、抗原の情報を記憶し、再感染のさいには、迅速に抗体を大量に産生することができる。 抗体には、病原体に結合し、食細胞による貪食を助けたり、感染力や毒性を失わせる能力(中和作用)がある。
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