お客様にお金を使ってもらうことを「軽く考える」商売は、死ぬ

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長く仕事を続けていればさまざまなことに「慣れ」が出てくるのは当たり前ですが、物を売る人、商売をする人には決して慣れてはいけないことも存在するようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、とある質問を提示しつつその「慣れてはいけないこと」について論じています。

軽く考えてはいないか

まずはこちらの質問に答えてみてください。

Q:今月のあなたの給料の半分を使って、何かを買ってくださいと言われたら、何を買いますか?

人によって得られる給金も違うでしょうから、あえて半分とさせていただきましたが、さぁ何に使いますか?

洋服を買うという人もいるかもしれません。ずっと欲しかったバッグを買おうという人もいるかもしれません。中には車を買おうという人もいるかもしれませんし、大事な家族や恋人へのプレゼントを買おうという人もいるかもしれません。

さて、この質問。唐突に聞かれるとちょっと考えませんか?

給料の半分という金額ですから、人によって金額の差はあれど、誰にとっても大事なお金です。前々からずっと欲しいと思っていたものがある人はすぐに思いつくこともあるかもしれませんが、じゃあ本当にそのお金を使ってくださいと言われれば、結構躊躇するのではないでしょうか。

なぜこんな話をしているかというと、物を売る人、商売をする人にとって、決して慣れてはいけないことに慣れてしまってはいないか?という話をしたかったからです。

人が自分で稼いだお金を使うというのは、並大抵のことではありません。お金に対する感覚が甘い人もたくさん世の中にはいますが、それだって、自分が汗水垂らして稼いだお金を捨てるような人はいないでしょう。何に使うか、どうやって使うかは、誰だって真剣に考えます。

しかし販売員は、毎日自分たちが売る商品を見て販売しています。買ってくれるお客様もたくさんいますし、値札に書かれている金額も、もはや当たり前の金額になっています。でも、その商品を販売する時、お客様にお金を支払ってもらうというのは常に変わらないことです。それは自分がどうやってお金を使うかを真剣に考えるのと同じで、お客様も同じように真剣にお金の使い方は考えています。だから、お金を払ってもらうことに対して慣れが出てしまってはいけないのです。

販売を続けていると、1着いくらの洋服、1点いくらの雑貨品、ひとついくらの食品など、さもそれが当たり前の金額のようになって振る舞ってしまう販売員になってしまうことがあります。

「この金額は当然の金額なんですよ」

そういう気持ちになるのです。これ自体は決して悪いことではなくて、自分たちの商品やサービスの価値に自信がある証でもあります。ただ、それに対してお金を払ってもらうことへの感謝を忘れると、その商売は死にます。

「ありがとう」の気持ちすらなく、ただ淡々とクレジットカードを通す、ただ淡々とICカードをタッチしてもらう。そんな無味乾燥な気持ちになってはお客様もお金を使うことを喜ぶことができません。たとえどんな金額の商品であろうと、その金額がどれだけ適正な価格や、安い価格になっていようと、お客様にお金を使ってもらうことにはきちんとした礼を持って接する必要があるのです。

だって、自分の給料の半分を、決死の思いで何かに使おうとした時に、それを売った販売員がその気持ちを少しも理解していないような対応ならば嫌でしょう?お客様だってそれは同じなのです。

お客様にお金を使ってもらうということを、軽く考えてしまってはいないでしょうか?もしそんな慣れが出てしまっていたら、どんな弊害が起こるでしょうか?この機会に、ぜひ考えてみてはどうでしょう。

今日の質問です。

  • お客様にお金を使ってもらうということはどういうことだと思いますか?
  • お金を使ってもらうことに対して、スタッフ全員がきちんと感謝できるようにするためには、どんな意識や取り組みが必要ですか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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